平成20年度予算案は、持続的な成長の中で財政健全化を実現するという基本方針に則ったものである。地方や中小企業に対する目配りもなされており、全体としてメリハリのきいたものになっている。
2011年のプライマリーバランスの黒字化は絶対に達成すべきである。そのためには、増大する社会保障費を賄う安定的な財源の確保が前提となる。先の税制改正大綱において、消費税率引き上げに向けた道筋が示されたことを踏まえ、歳出・歳入一体改革の具体策について、与野党で議論を深めてもらいたい。
米国景気の減速や改正建築基準法の施行などにより、景気のテンポは減速している。しかし、世界経済は、アジアをはじめ新興国や資源国に支えられて、５％程度のペースで拡大を続けると見られる。こうした中、日本の景気回復は来年半ば以降、力強さを取り戻し、実質成長率は２％程度となると考える。
今年は激動の年であった。経済面では、年初からの原油価格の高騰に加え、7月頃からのサブプライム問題が国際金融資本市場に混乱をもたらしている。国内では、ねじれ国会という近年経験したことのない状況にある。今ほど、国民本位・国益本位の観点から局面を打開することが求められている時はない。