記者会見における御手洗会長発言要旨

2008年12月24日
(社)日本経済団体連合会

【2008年を振り返って】

米国発のサブプライムローン問題が、世界中に金融不安をもたらし、相当なスピードと規模で実体経済にまで影響を及ぼしたことが、何をおいても印象に残る。その事態に対応すべく、先進国のみならず、新興国・資源国を含め各国が迅速に結束し、G20という形で協調体制を築いた意義は大きい。

次に、ねじれ国会という事態の中、法案審議に深刻な影響が生じた。もっとも、ねじれ現象は世界では珍しいことではない。景気対策については、与野党で共通点も多い。政府と与野党がスピード感をもって、国民本位・国益優先で、国難を乗り越えるよう努めてもらいたい。

最後に、オバマ新大統領の選出も大きな出来事だった。米国経済の立ち直りは、世界経済の回復にとって重要である。雇用創出のための諸政策はじめ、選挙公約に掲げられた大胆な政策が実行されることを期待している。

【中期プログラムについて】

世界同時不況の危機に直面する中、まずは景気回復が何よりも重要である。ただし、中長期的な展望にたてば、国民の間に広がる将来不安を解消するため、持続可能な社会保障制度の確立が必要である。その改革に向け、税制の抜本改革を含む道筋が示されたことを評価したい。

以上

日本語のホームページ