第37回中国地方経済懇談会の共同会見における御手洗会長発言要旨

2009年3月18日
(社)日本経済団体連合会

【春季労使交渉集中回答について】

大変厳しい経済情勢の中にあって、経営側が定期昇給を維持したことは、従業員に最大限配慮した結果であると思う。定昇の実施を一時的に先延ばさざるをえなかった企業があるにせよ、定昇のシステムそのものを維持したことは、評価すべきである。
賞与は業績に連動する面が強いので、一概には言えないが、各労組がミニマムと設定している4ヵ月を軸に、それを上回る回答が多かったことは、想定の範囲内と言える。
今回の集中回答が消費に与える影響は、完全には否定できない。しかし、累次の経済対策が次第に効果を発揮してくる。今回の結果、景気がさらに後退するということにはならないと思う。
雇用問題については、時間外労働の削減や時短、無給休暇の設定など、いわば「日本型ワークシェアリング」とも言える取り組みが、実態としてすでに行われている。労使ともに危機感を共有し、雇用の安定に真剣に取り組んだことは、今回の春季労使交渉の大きな成果だったと思う。

【中国地方経済について】

中国地方の景気は後退局面にある。自動車や電気機械をはじめ輸出も減少している。
しかし、中国地方は現在、産学官連携による産業クラスターの形成に取り組んでいる。こうした取り組みにより、新産業を生み出していくことが重要だ。農商工連携による農業の生産性向上も評価できる。
また、観光振興も期待される。山陽・山陰地方ともに素晴らしい史跡、自然環境に恵まれている。各県が持つ豊富な観光資源を広域的に連携させ、内外からの観光客誘致を進めることが重要だ。
こうした取り組みを粘り強く進めていけば、世界経済や日本経済が回復するのに伴い、中国地方の経済も盛り返してくると思う。

以上

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