記者会見における御手洗会長発言要旨

2010年5月20日
(社)日本経済団体連合会

【4年間の任期について】

経団連会長の責任と役割の大きさを実感する毎日であった。多くの方々のご協力とご支援をいただき、重責を全うすることができた。私の任期の4年間は、政治、経済ともに激動の時代であった。経済では世界同時不況に見舞われ、景気の底割れを防ぐべく全力を尽くした。G8ビジネス・サミットを通じて各国首脳にも具体的な働きかけを行った。また、アジア・ビジネス・サミットの開催や中国へのハイレベルミッションの派遣など、アジア各国との連携を強化する観点からも民間外交を推進し、成果を挙げることができたと思う。

残された課題は、税・財政・社会保障制度の一体改革である。諸外国に先駆けて少子高齢化が進行する一方で、危機的な財政を抱える日本が、国際競争を勝ち抜くためには、成長戦略の着実な実行が欠かせない。米倉次期会長には、この2点について、リーダーシップを発揮してほしい。

【第1四半期のGDPについて】

2010年第1四半期のGDPは前期比年率4.9%と、4四半期連続でプラス成長となった。この背景には、アジア向けを中心として輸出が伸びたこと、経済対策によって個人消費が堅調に推移したことがある。ただし、ギリシャ財政危機に端を発する金融不安からユーロ安・円高が長引けば、景気に悪影響を与えることが懸念される。

わが国経済を自律回復へと結び付けていくには、成長戦略の早期実行が求められる。

以上

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