関西会員懇談会後の記者会見における米倉会長発言要旨

2010年6月9日
(社)日本経済団体連合会

【関西経済の展望とその活性策について】

有効求人倍率が低水準にあるなど雇用情勢は依然厳しい。しかし、アジア向けを中心に輸出が増えており、また、政府の施策の効果もあって個人消費も持ち直している。そうしたなかで、関西の経済はようやく回復に向かいつつある。

関西には高い技術レベルを誇る中堅企業が多い。そうした技術を新産業の育成などに結びつけることで、関西の経済力を高めることができるものと大いに期待している。

【株価と企業への影響について】

欧州の金融情勢への不安が日本の株価にも影響している。EU加盟国が一致協力して、金融不安払拭のために努力する姿勢を示し、具体的な行動をとっていくこと、それをマーケットに発信していくことが必要である。大幅なユーロ安は、とりわけ対欧輸出が大きなウェイトを占める企業にとって非常に大きな影響がある。この状況が落ち着いてくれば、円高・株安という状況も変わってくるだろう。

【参院選に向けた政党への期待について】

勝つことだけを目的に、耳あたりのよいことだけを国民に約束し、選挙を戦う時代は終わった。デフレ脱却、財政健全化、持続可能な社会保障制度の確立、消費税率引き上げを含む税制抜本改革などの最重要課題について、具体的な道筋を選挙前に国民に明示し、政党間で徹底した政策論議をしてもらいたい。特に、財政健全化については、超党派での取り組みが必要となろう。

以上

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