1. トップ
  2. 月刊 経団連
  3. 座談会・対談
  4. 成長戦略と財政再建、日本経済の将来針路を問う

月刊 経団連 座談会・対談 成長戦略と財政再建、日本経済の将来針路を問う

久保田政一
司会:経団連専務理事

伊藤元重
東京大学大学院経済学研究科教授/経済財政諮問会議民間議員

岡本圀衞
経団連審議員会副議長・経済政策委員長
日本生命保険会長

小島順彦
経団連副会長
三菱商事会長

西村康稔
内閣府副大臣(経済財政政策担当)

PDF形式にて全文公開中

西村康稔 (内閣府副大臣(経済財政政策担当))
政府は、スピード感を重視し「やれるものからやろう」という積極的な意気込みで、成長戦略に取り組んでいる。同時に消費税を確実に引き上げ、財政再建への道筋を付けていきたい。政府は「六重苦の解消」にも取り組む。競争力を強化し、民主導の経済成長が実現できるよう、経済界も体制を整えてほしい。

小島順彦 (経団連副会長/三菱商事会長)
日本は、世界における存在感を取り戻しつつある。大事なことは世界から日本が変わったと評価されることであり、TPP交渉参加を契機として、世界の成長を取り込むべきである。日本の今後の成長の余地は、まだまだ大きい。山積するさまざまな課題に対し、政府と日銀、経済界が一体となって取り組む必要がある。安倍総理の強いリーダーシップに期待する。

岡本圀衞 (経団連審議員会副議長・経済政策委員長/日本生命保険会長)
経済の先行きに明るさが見えるなかで、民間自身も変わっていくべき時にある。そのためにも、事業環境の国際的なイコールフッティングの確保が欠かせない。安倍政権の事業環境整備に向けた取り組みを期待する。加えて、財政再建も重要である。財政再建と経済成長の二つを同時に進め、後世にツケを残さない国をつくる必要がある。

伊藤元重 (東京大学大学院経済学研究科教授/経済財政諮問会議民間議員)
将来に向かって積極的に投資をし、国民や企業が希望を持てるようにすることが成長戦略の役割である。将来の産業の姿を明確に描き、前向きな企業行動を引き出していく必要がある。1000兆円の「眠った爆弾」が爆発するという、大きな財政リスクを抱えながら、少子高齢化社会を乗り切っていかなければならない。長期的な経済の持続性を担保するためには、財政健全化が必要である。まずは、消費税率10%までの引き上げと、2%のインフレ率の同時達成を目指すべきである。

久保田政一 (司会:経団連専務理事)

  • ●安倍政権の経済政策「三本の矢」への評価
  • 企業が活動しやすい国の実現に向けて
  • 民間経済の活性化と財政の健全化がポイント
  • 日本が存在感を取り戻すことに期待
  • 企業は「目利き力」のある人材の育成を
  • ●国内外から投資を呼び込むための成長戦略のあり方
  • 事業の海外展開により世界の成長を取り込むことが不可欠
  • 事業環境の国際的なイコールフッティングを
  • 海外に向かってオープンな社会の構築を
  • 「成長戦略」により国民や企業が希望を持てるように
  • ●「骨太の方針」への期待
  • 高齢化が進むなかで持続可能な社会の構築を
  • 効率的な財政運営に向けPDCAサイクルの確立を
  • 豊かさの追求と財政再建の両立を
  • 官民一体で課題の解決を

「2013年6月号」一覧はこちら

「座談会・対談」一覧はこちら