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月刊 経団連 キミカ

資本金 1億円
設立 1946年11月
従業員数 144名(2015年6月30日現在)
本社所在地 〒104-0028 東京都中央区八重洲2-4-1
事業内容 アルギン酸ならびにその応用製品の製造、販売
URL http://www.kimica.jp/

1941年「アルギン酸」の工業的生産に日本で初めて成功した当社は、アルギン酸専業メーカーとして70余年の歴史を持つ。現在では、同分野の国内トップ企業に成長し、食品・医薬品用といった高品質アルギン酸の分野においては、世界のトップシェアを誇っている。

「アルギン酸」は、コンブやワカメのような海藻(褐藻類)に含まれる天然の多糖類で、海藻特有のネバネバ成分の一つである。その用途は、食品、医薬品、化粧品をはじめ非常に幅広く、増粘剤、ゲル化剤、安定剤などとして各分野で独特の機能を発揮している。

身近なところでは、コンビニのサンドイッチのパンに用いられており、「アルギン酸エステル」という食品表示を目にされた方もおられるであろう。アルギン酸の持つ保湿性と弾力性が、パンのしっとり感を長時間保つことを可能とし、陳列棚に並べられた際のふっくら感も演出している。海外向けでは、ビール用途の輸出量も多く、泡持ちの改善を目的として、南米・ヨーロッパ等の有名ビールに多く用いられている。

現在は、医療分野での用途開発にも注力している。天然植物由来の利点を最大限に活用し、生体内に直接投与可能な医療用アルギン酸の生産技術を開発するとともに、GMP(注)適合の医療用原薬製造ラインを設け、超高品質なアルギン酸の量産体制を確立した。近い将来、再生医療の分野などで医療用アルギン酸製剤が活躍すると期待されている。

このほかにも、放射性物質の吸着作用に関する研究が進められるなど、環境面での貢献に対する期待も大きい。

(注)GMP(Good Manufacturing Practice):医薬品および医薬部外品の製造管理および品質管理の基準

さらなる「アルギン酸」の可能性を追い求める


笠原文善
キミカ 社長

「アルギン酸」という言葉自体、あまりなじみがないかもしれませんが、パン、麺、医薬品、化粧品等に用いられ、さまざまなかたちで皆様の生活とかかわっています。
当社は、創業以来70余年にわたり、このアルギン酸という武器を磨き上げてきましたが、それでもまだ、気付いていない多くの可能性が、この素材に秘められているものと確信いたしております。
今後の経団連におけるさまざまな活動が、アルギン酸と化学反応を起こし、皆様の事業拡大、会の発展、社会への貢献へとつながれば幸いです。
今後とも、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申しあげます。

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