Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2012年4月19日 No.3083  「リオ+20に向けた国際対話」開催

「リオ+20に向けた国際対話」であいさつ
する坂根副会長・環境安全委員長

1992年6月にブラジル・リオデジャネイロで開催された国連環境開発会議(リオサミット)から20周年を迎える今年6月20~22日、同じくリオで国連持続可能な開発会議(リオ+20)が開催される。同会議では、(1)持続可能な開発および貧困削減の文脈におけるグリーン経済(2)持続可能な開発のための制度的枠組み――の2つのテーマに関する政治的文書が取りまとめられる予定である。

経団連では、国連交渉プロセスなどの動向を注視するとともに、海外の経済団体とも連携し、地球規模の持続可能な社会の実現に向けた産業界の取り組み・考え方を発信していく方針である。

そこで経団連は4日、経団連自然保護協議会、BIAC(OECD経済産業諮問委員会)、USCIB(米国国際ビジネス評議会)と「リオ+20に向けた国際対話」(International Business Green Economies Dialogue)を東京・大手町の経団連会館で開催した。

当日は、坂根正弘副会長が開会あいさつ。北神圭朗経済産業大臣政務官やマルコス・ガウヴォン駐日ブラジル連邦共和国大使をはじめ、国内外から多様な来賓・スピーカーを迎え、「持続可能な発展に向けた産業界のイニシアティブ」をテーマに熱心な討議を行った。特に、アフリカを中心に多くの大使級が参加するなど、途上国の関心の高さがあらためて浮き彫りとなった。

同会議の概要は次のとおり。

■ 低炭素社会の構築

午前のセッションでは、成蹊大学の廣野良吉名誉教授が低炭素社会・持続可能な開発に向けて産業界に期待される役割について、また、パシフィック・ノースウェスト国立研究所のジェイ・エドモンズ主任研究員がグローバルな低炭素経済構築に向けた課題について基調講演を行った。

これを受け、パネル討議では、国内外の産学官有識者が、主にエネルギー効率の改善や革新的技術の開発、グローバルな実用化を通じた地球規模の低炭素社会の構築という観点から、産業界の役割や課題などについて熱心な議論を行った。

■ 持続可能な開発の文脈におけるグリーン成長

一方、午後のセッションでは、平松賢司外務省地球規模課題審議官が持続可能な開発の実現に向けた日本の提案について、また、スタンフォード大学のジェイムズ・スウィーニー教授がよりグリーンな成長に向けた資源・エネルギー効率の推進について基調講演を行った。

パネル討議では、「持続可能な社会およびグリーン成長を実現するうえで、エネルギー・資源利用の効率を高めることは、産業界にとってのビジネスチャンス」との認識を共有しつつ、官民さまざまなセクターを代表する有識者が、資源の有効活用や革新的技術、持続可能な消費・生産、途上国支援や官民連携のあり方などについて、議論を深めた。

■ リオ+20に向けた産業界のメッセージ

討議総括にあたって、「持続可能な開発・発展を促進するうえで、経済成長の実現と雇用の創出が大前提であること」、また、「環境と経済の両立のカギを握るのは技術であり、優れた技術を途上国の経済開発に活用し、持続可能な発展を可能とするよう産業界は重要な役割を果たすこと」など、経団連の考え方があらためて確認された。

【環境本部】