Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2012年7月19日 No.3094  インターネット政策に関する国際的議論の動向について説明を聞く -総務省情報通信国際戦略局の仲矢国際政策課長から/情報通信委員会企画部会

経団連は9日、東京・大手町の経団連会館で情報通信委員会企画部会(武山芳夫部会長)を開催し、総務省情報通信国際戦略局の仲矢徹国際政策課長からインターネット政策に関する国際的議論の動向について説明を聞いた。仲矢氏の説明概要は次のとおり。

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米国との間では、インターネットエコノミー政策協力対話などを通じ、ICT(情報通信)分野における連携を図っている。民間においても、在日米国商工会議所と経団連がシンポジウムを共催し、共同声明を発表するなど、連携を強化している。

今年4月末には日米首脳会談後に発表された日米協力イニシアティブにおいて、同政策協力対話で合意した「クラウド・コンピューティング作業部会」を民間と連携して創設すること等が確認された。今年秋に米国で開催される第4回インターネットエコノミー政策協力対話に向け、さらに議論を深めていく。

EUとの間では、従来からのICT政策対話に加え、日EUインターネット・セキュリティフォーラムを11月ごろに東京で開催する予定。日本政府は総務省だけでなく省庁横断的に対応する。フォーラムでの議論の内容は日EU定期首脳協議で取り上げることを検討中である。また、英国との間では、今年4月の日英首脳の共同声明でサイバー空間に関する二国間協議を強化することが確認された。これを受け、5月に総務大臣が訪英し、インターネット政策課題への対応方針について協議し、共通認識を共同声明として発表した。

今年8月にはロシアで第9回APEC電気通信・情報産業大臣会合が行われる。また、12月にはITU(国際電気通信連合)において、ITR(国際電気通信規則)の改正にかかる会議が開催される。国連では、人権理事会、国連総会の第1委員会および第2委員会で国際インターネット政策について議論が行われている。いずれの議論の場においても、国家の安全保障を確保する等の目的でインターネットに対する規制を強化すべきと主張する国があるため、日本政府としても欧米諸国と連携し、議論の動向に十分注意して対応していく。産業界にもぜひ、引き続き積極的な協力をお願いしたい。

【産業技術本部】