Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2012年8月9日 No.3097  「大学改革実行プラン」について文科省から説明を聞き意見交換 -産業技術委員会産学官連携推進部会

経団連の産業技術委員会産学官連携推進部会(永里善彦部会長)は7月23日、文部科学省高等教育局高等教育企画課の義本博司課長、国立大学法人支援課の芦立訓課長、大学振興課の池田貴城課長から、「大学改革実行プラン」について説明を聞き、意見交換した。説明の内容は次のとおり。

1.「大学改革実行プラン」策定の背景

わが国は現在、急激な社会の変化や困難に直面している。社会の変革を担う人材育成、知的基盤形成やイノベーション創出等に向け、大学の社会的使命は大きく、改革は待ったなしである。こうしたなか、文部科学省では今般、大学改革の方向性を「大学改革実行プラン」として取りまとめた。

2.プランの概要

同プランでは、国としての大学政策の基本方針を「大学ビジョン」として策定したうえで、「大学の機能の再構築」と「大学のガバナンスの充実・強化」を推進する。

(1)大学機能の再構築
  1. 1.大学教育の質的転換と大学入試改革を図り、主体的に学び・考え・行動する人材を育成する教育へ転換するとともに、産業構造の変化に対応した社会人の学び直しを推進する。
  2. 2.グローバル化に対応した人材育成を行うため、グローバル拠点大学の形成や入試におけるTOEFL・TOEICの活用、秋入学への対応などを進める。
  3. 3.地域再生の核となる大学づくりに向け、地域と大学の連携を強化する。
  4. 4.研究力強化(世界的な研究成果とイノベーション創出)を行い、国際的な頭脳循環を推進する。
(2)大学のガバナンスの充実・強化
  1. 1.国立大学改革として、個々の大学のミッションの再定義を行うとともに、学長のリーダーシップの確立や大学の再編を進める。
  2. 2.大学改革を促すシステム・基盤整備により、評価制度・評価指標の抜本的改革と情報公開を進め、個々の大学の特徴を可視化する。
  3. 3.財政基盤の確立とメリハリのある資金配分を実施し、大学の積極的経営の支援や多元的な資金調達を促進する。
  4. 4.大学の質保証の徹底推進を行うこととあわせ、経営上の課題を抱える大学法人に早期経営判断を促す仕組みの確立を図る。

3.改革実行期間

同プランは、今年度は「改革始動期」、2013・14年度は「改革集中実行期」、15~17年度は「検証・深化発展期」とし、三つのフェーズでスピード感と実行力をもって取り組む。

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産学官連携推進部会では、同プランの具体的進捗状況を注視するとともに、今後とも産業界から具体的な改革提言を行っていく予定である。

【産業技術本部】