Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2012年10月4日 No.3103  今後の地球温暖化政策等で意見交換 -経産省・赤石審議官から説明聞く/環境安全委員会

政府内では年末までに、2013年以降の「地球温暖化対策の計画」が策定される予定である。他方、国連気候変動交渉に関しては、今年11月26日からカタールのドーハで気候変動枠組条約第18回締約国会議(COP18)が開催され、2020年以降の新たな国際枠組のあり方等について協議される予定である。

そこで経団連は9月26日、東京・大手町の経団連会館で環境安全委員会(坂根正弘委員長)を開き、政府における温暖化政策の今後の進め方等について、経済産業省産業技術環境局の赤石浩一審議官から説明を聞き、意見交換を行った。赤石審議官の説明概要は次のとおり。

■ 地球温暖化対策の国際交渉

昨年の南アフリカ・ダーバンでのCOP17においては、2020年から新興国・途上国を含むすべての国に適用される将来の法的枠組みを発効するよう、2015年までのできるだけ早期に国際的な合意を目指すこととされた。しかし、依然として「共通だが差異ある責任」(注)の原則に固執する途上国と先進国の溝は深く、2015年までの合意に向けた道のりは非常に険しい。

2020年までの温室効果ガス削減目標として、米国は前提条件付きで2005年比マイナス17%、欧州連合(EU)は1990年比マイナス20%(各国の動向によりマイナス30%)、をそれぞれ国連に提出している。日本は「前提条件付き1990年比マイナス25%」の目標を、東日本大震災を経て「検討中」としており、いずれ見直しと再提出が必要となる。しかしながら先進国は、途上国をはじめ多くの国々から「野心の水準」を引き上げることを求められている。

■ 国内の地球温暖化対策

9月14日に決定された「革新的エネルギー・環境戦略」では、2020年時点の温室効果ガス排出量を、1990年比でマイナス5~9%(慎重ケース)またはマイナス2~5%(成長ケース)になるとの見通しを示している。しかし、これは2020年の原発の稼働状況が不透明であることに加え、省エネや再生可能エネルギー等の導入について意欲的な前提を置いている。

2013年以降の対策として、政府は年末までに「地球温暖化対策の計画」を策定することとなっている。経団連においては、現行の「自主行動計画」に続き、来年度以降も地球温暖化対策に積極的に取り組むよう期待している。

(注)共通だが差異ある責任=すべての国・地域は、人類の活動によってもたらされた温暖化に対して「共通の」責任を持っているが、温暖化の主な原因をもたらした先進国とそうではない途上国では責任に「差異」がある、という考え方

【環境本部】