Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年1月10日 No.3115  電子行政推進シンポジウムを開催 -電子行政推進への期待などを聞く

経団連電子行政推進委員会
共同委員長・間塚氏

政府CIO・遠藤氏

自民党政務調査会副会長
(当時)・平井氏

経団連は12月21日、東京・大手町の経団連会館で「電子行政推進シンポジウム」を開催し、内閣官房の遠藤紘一政府CIO(Chief Information Officer)ならびに自民党の平井たくや政務調査会副会長(当時)の基調講演をはじめ、有識者から電子行政に関する具体的な取り組みについて説明を聞いた。概要は次のとおり。

■ 経団連電子行政推進委員会共同委員長・間塚道義氏

電子行政の推進は、行政の効率性や透明性・国民生活の利便性向上、公正で安心できる社会保障制度の確立、オープンデータを活用した新産業・新事業の創出にとって重要な基盤となる。電子行政政策を着実に前進させるには、(1)政府CIO法案の成立(2)番号制度法案の成立(3)オープンデータ政策の推進――の3点が重要である。

■ 政府CIO・遠藤紘一氏

電子行政の推進にあたっては、「利用者」「業務改革」「情報技術」「競争力」の視点を重視する。政府情報システムの見直しに際しては、事前に業務の標準化と共通化を図ることが不可欠である。日本だけに閉じた電子行政とするのではなく、企業が世界で活躍できる環境をつくっていきたい。
国民が成果を実感できる電子行政を目指して、関係者の協力を得ながら改革に取り組んでいきたい。

■ 自民党政務調査会副会長・IT戦略特別委員長(当時)・平井たくや氏

国民目線に立ち、新しい政府をつくる気概をもって、本格的な電子行政を進めていきたい。番号法案については、修正を加えたうえで、政府CIOの責任と権限を明確化する法案とセットで次期通常国会で通したいと考えている。セキュリティーを含めたITリテラシーの向上を図る一方で、国家安全保障の観点からの検討も必要である。サイバーセキュリティー対策を成長戦略の一つとして考えていきたい。

■ 東京大学大学院情報学環教授・越塚登氏

オープンデータは、国民の利便性を高める電子行政の新しい方法である。自動車のプローブ(走行)情報や計画停電情報の活用をはじめ、東日本大震災の直後の民間の取り組みにより、国民の力で行政データを有効活用できることが証明された。さまざまな公共データがオープンになると、新しい公共、市民参加による問題解決へのイノベーションが期待できる。

■ 佐賀県特別顧問・川島宏一氏

行政の情報化には、庁内部門間、地方・中央行政組織間、行政・民間の間、国内・国外といった壁があり、縦割りの壁を崩す突破力が必要である。それには、縦の能力(ICT固有の専門知)と横の能力(俯瞰する力、ルールを突破する力、共感を呼ぶコミュニケーション力)を備えた「T型」の人材が求められる。

■ 鉄祐会理事長・武藤真祐氏

高齢先進国モデル構想会議を立ち上げ、在宅医療を基点とした高齢者の包括的な生活支援プラットフォームの構築を目指す。構想実現に向けて、(1)在宅医療提供体制の確立(2)シームレスな在宅医療・介護ネットワークの構築(3)高齢者の健康・生活支援モデルの構築――の3ステップで取り組む。

【産業技術本部】