Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年3月14日 No.3123  中南米地域大使との懇談会を開催 -今後の中南米経済情勢聞く

中南米地域大使との懇談会であいさつする米倉会長(左から4人目)

経団連は6日、東京・大手町の経団連会館で、中南米地域22名の在外公館代表と外務省幹部を招き、同地域との経済関係の強化をめぐって意見交換を行った。

冒頭あいさつで米倉弘昌会長は、すでに発効しているメキシコ、チリ、ペルー各国とわが国との二国間EPA(経済連携協定)に加えて、わが国がTPP(環太平洋経済連携協定)に参加すれば、中南米地域全体との経済関係が大きく進展すると指摘するとともに、地域経済統合については、同地域に大きな影響を有するメルコスール(南米南部共同市場、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル、ベネズエラの5カ国が加盟)と並んで、昨年設立された太平洋同盟(コロンビア、チリ、ペルー、メキシコの4カ国が加盟)の新しい動きにも注視していきたいと述べた。

続いてあいさつした外務省の山田彰中南米局長は、中南米地域には安定した大きな市場があり、政府として民間の事業活動を支援していきたいと述べるとともに、進出企業と邦人の安全確保に全力を尽くしたい旨を表明した。

■ 地域情勢報告

地域情勢に関する報告とその後の意見交換では、まず、三輪昭駐ブラジル大使から、資源・食料・エネルギー開発と中間層の増加に伴う市場の拡大が、国際社会におけるブラジルの存在感を高めているとの指摘があった。また、ブラジルのメキシコとの自動車協定の見直しに関連して、同国には保護主義的傾向も見られるが、わが国との投資協定の締結には必ずしも否定的ではなく交渉の余地があるとの説明があった。あわせて、ルーセフ大統領の今年中の訪日に向けてブラジル政府と調整を行っていることが紹介された。

次に、目賀田周一郎駐メキシコ大使から、メキシコは日本を含む44カ国とEPAやFTA(自由貿易協定)を締結し、これを通じて対米依存の貿易構造を修正しながら、安定成長を目指しているとの説明があった。

続いて、村上秀徳駐チリ大使から、チリは堅実な財政・金融政策による安定したマクロ経済運営を背景に、太平洋同盟の議長国を務めるなど域内貿易の自由化に注力しているとの説明があった。

さらに、渡部和男駐コロンビア大使から、日本との経済関係強化に熱心なコロンビアは日本の経験を活かしたインフラ整備に関心を有していると述べるとともに、両国間EPA交渉の第2回会合が5月に開催する見通しであることを明らかにした。

最後に、福川正浩駐ペルー大使から、ペルーは日本のTPP交渉参加を大いに期待しているとの見解が示された。

【国際協力本部】