Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年3月21日 No.3124  「道州制実現に向けた緊急提言」を取りまとめ公表 -早急に取り組むべき課題要望

わが国経済の再生、とりわけ疲弊の激しい地方の活性化は喫緊の課題であり、有効な経済政策とあわせて、国・地方の統治制度を根本から転換することが不可欠である。具体的には、国と地方の二重・三重行政を排して成長につなげる財源を確保する一方、国から財源・権限・人員を思い切って地方に移譲するとともに、一定規模の広域経済圏を構成することが求められる。

経団連は、こうした改革の究極の姿が道州制であるとの認識のもと、2007年に第一次提言を、08年に第二次提言を取りまとめるなど、その実現に向けて取り組んできた。今般、道州制の推進を掲げる自公政権が発足し、道州制実現の機運が高まったことを受け、道州制推進委員会(畔柳信雄委員長、松下雋共同委員長)で、早急に取り組むべき課題を「道州制実現に向けた緊急提言」として取りまとめ14日に公表、政府関係者に建議した。

緊急提言では、経団連の考える道州制の姿として、(1)全国に10程度の道州を新たに設置して、国・道州・基礎自治体の3層制とする(2)国が果たすべき役割について選択と集中を図る一方、内政の多くを国から移譲して道州・基礎自治体に担わせる――ことを示したうえで、次の2点を訴えている。

第一点は、道州制推進基本法の今次通常国会における制定・公布である。同法の成立後5年以内での移行を図れるよう、総理大臣を本部長、全閣僚を構成員とする「道州制推進本部」や、有識者等で構成し、重要事項の答申を策定する「道州制国民会議」を設置する必要性もあわせて指摘している。

第二点は、地方分権改革の推進である。道州制は一足飛びで実現するものではなく、導入の前提として、地方分権改革を不断に推し進める必要がある。特に、国の出先機関である地方支分部局は縮小・廃止し、国から広域連合などの広域行政体に権限・財源・事務を移譲すべきとしている。

なお、道州制基本法の成立から5年以内での速やかな移行に向けて、当面取り組むべき課題と工程などをロードマップとして提示した。

【産業政策本部】