Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年10月3日 No.3148  女性の活躍推進部会の初会合開催 -小渕衆議院議員から経済界における女性活躍への期待聞く/企業行動委員会女性の活躍推進部会

中川部会長

経団連の企業行動委員会女性の活躍推進部会(中川順子部会長)は9月20日、東京・大手町の経団連会館で初会合を開催し、小渕優子衆議院議員を来賓に迎えて、女性の活躍に向けた課題と期待をテーマに講演を聞くとともに、委員間での意見交換を行った。講演の概要は次のとおり。

講演する小渕衆議院議員

■ 少子化担当大臣としての経験から

麻生政権で少子化担当大臣を務めた際に重視した取り組みは、(1)子ども、女性、家庭に関する政策への財源の確保(2)待機児童対策などの働きながら子どもを育てられる環境の整備(3)男性を含めた意識の改革――である。私自身も結婚の楽しさ、妊娠・出産の素晴らしさを明るく前向きにPRしようと努めてきた。在任中に解決できなかった問題もあるが、「イクメン」という言葉が普及するなど、男性の意識も徐々に変化してきていると感じる。

■ 「働き方」の問題は女性だけの問題ではない

今後、日本の労働力人口が減っていくなか、労働力不足を解決するカギは、女性にあると思う。女性の活躍推進の議論は、男性を含めた働き方に関わる問題でもある。日本の生涯未婚率が増え続けているなか、将来的には、独身の男性が働き盛りの時期に、自分の両親の介護が重なり、自分以外に対応する者がいない状況が十分に考えられる。誰もが個人の状況により仕事を休まなければならない時期を経験する時代が迫っており、これまでの働き方そのものを見直して、そのような時期を許容できる社会を今からつくる必要がある。

■ 家庭と仕事を両立できる働き方が必要

私が推奨したいのは、「効率的に働く」ということである。長時間ダラダラと仕事をするのではなく、時間内にやるべきことを終え、残った時間は自らを豊かにすることに費やすことができるのではないだろうか。このようなバランスの取れた生き方ができる企業・社会、そして世の中をつくっていくことが大事だと思う。

■ 将来の女性のために

今、企業では女性の活躍を真剣に議論していただいているし、女性は自らの働き方をどうするか大変に苦労していると思う。がんばって働いている女性には、あきらめることなく自分自身の選択した道を楽しみながら前に向かって歩いてもらいたいし、私も国会議員としてそれを応援していきたい。私たちの先輩世代が道を切り開いてくれたことによって、私たちの世代は少し楽に進むことができているが、それでもいろいろな苦労は残っている。私たちの世代ががんばれば次の世代は、さらに楽に家庭と仕事を両立できると信じている。

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講演後の委員間での意見交換では、今後の部会での活動について「経団連にしかできない取り組みを行ってほしい」「働く女性のネットワーク化に取り組んでほしい」「男性管理職の意識改革が必要」などの活発な意見が寄せられ、部会に対する委員の高い期待がうかがわれた。

【政治社会本部】