Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年10月10日 No.3149  第5回日本ウクライナ経済合同会議をキエフで開催 -プラソロフ経済発展・貿易大臣が参加

経団連のウクライナ部会(岡素之部会長)は1日、キエフでウクライナ対日経済協力調整協議会(イーホル・プラソロフ経済発展・貿易大臣が会長を務める)と、第5回日本ウクライナ経済合同会議を開催した。

ウクライナ側から約60名が、日本側から約40名が参加した合同会議では、(1)ウクライナの対外経済政策(2)現在政府間交渉中の日ウクライナ投資協定(3)資源エネルギー・エネルギー効率向上等有望分野における事業機会――などについて議論を深めた。

■ EUやロシア・NIS諸国など近隣との経済関係強化を推進

プラソロフ会長は、ウクライナの主要貿易パートナーであるEUとの経済関係の強化に向けて自由貿易協定を含む連合協定への署名を速やかに実現したいと述べた。また、長年の関係を有するロシア・NIS諸国も重視しており、ウクライナとしては両地域を結ぶ懸け橋の役割を果たしていきたいとの発言があった。

■ 日ウクライナ投資協定早期締結の重要性で一致

ウクライナ側は、現在行われている日ウクライナ投資協定の政府間交渉の加速化に強い意欲を示した。日本側も、二国間経済関係の一層の拡大と多様化に向けて、同協定は必要不可欠であると強調した。双方は、同協定の早期締結が極めて重要であることで一致した。

また、日本側からウクライナのビジネス環境上の諸課題を指摘したところ、ウクライナ側からは外国直接投資の誘致に取り組むなかで、WTOルールに沿った透明性の確保や外国企業の権利の保護など、ビジネス環境整備を推進していくことが表明された。

■ 資源エネルギーや省エネ等有望分野における日本との協力推進に期待

ウクライナは、エネルギー資源の輸入依存度の低減や供給元の多様化に取り組んでおり、最近ウクライナで発見されたシェールガスの開発を国際石油資本とともに進めていると説明した。また、天然ガスの欧州からの再輸入も実現しようとしていると述べた。

これと並行して、ウクライナはエネルギー効率の向上も積極的に推進している。日本との間ではすでにグリーン投資スキーム(GIS)に基づくプロジェクトの実績があり、ウクライナ側はこれを高く評価し、世界有数の優れた省エネルギー技術・製品を有する日本企業との協力に引き続き強い関心を示した。

日本側からは、わが国のエネルギー需給の現状を踏まえた今後のウクライナとの協力の可能性や、ガスや廃熱を利用した複合型高効率発電、太陽光などの再生可能エネルギー技術を説明した。

また、双方は、ウクライナの農業分野の高い潜在力を活用した協力の重要性を共有した。さらにインフラ整備分野では、ウクライナ側から橋梁や黒海沿岸におけるLNGターミナルの建設など、国家プロジェクトへの日本の参画に期待が示された。これに対して日本側からは、各国における大型建設プロジェクトの実績が紹介され、双方は今後の協力の可能性を指摘した。

さらに、ウクライナ側は、観光分野における協力の一層の推進の重要性を強調した。

【国際経済本部】