Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年10月24日 No.3151  共助社会の構築に向け意見交換 -市民セクターによる社会課題解決促す方策聞く/社会貢献推進委員会

説明する林崎審議官

経団連は7日、東京・大手町の経団連会館で、社会貢献推進委員会(古賀信行委員長、佐藤正敏共同委員長)を開催した。

会合では内閣府の林崎理官房審議官から、同府の「共助社会づくり懇談会」の議論を踏まえ、市民セクターによる社会課題解決を促すための方策について説明を聞くとともに、意見交換を行った。林崎審議官の説明概要は次のとおり。

内閣府では、市民セクターの活動を促進するこれまでの取り組みを発展させ、一人ひとりが自立的に、その能力を発揮しながらともに助けあう共助社会づくりを目指している。そこで今年6月に閣議決定された「骨太の方針」にも記されたとおり、NPOの活動やソーシャルビジネス等を人材、資金、信頼性向上の三つの側面から支援するため、中間支援組織や地域の連携体制整備を促進する。

現在、内閣府の「共助社会づくり懇談会」では、この三つの課題について検討している。

人材面については、「NPO等においてマネージャー層や専門分野に特化した人材の充実を図るとともに、企業など他セクターとの人材流動化が求められる。特に人材交流に関しては、企業側にとってもマネジメントの実践訓練になったり、課題から気づきを得て、商品開発のヒント獲得につながったりすることが期待される」等の意見が出ている。

資金面に関しては、「市民ファンドやNPOデータベースの構築を通じた寄付環境の整備とともに、金融機関による融資を促す仕組みが必要である」等の意見が出ている。

信頼性向上に関しては、「信頼を毀損する団体へ実効性のある対処を検討する必要がある。また、NPOは、適切な情報公開を行うことが寄付を集めるうえでの最低条件であるという認識を持つことが重要である。NPO法人会計基準の普及も、信頼性向上につながる」等の意見が出ている。

内閣府が行ったNPO法人に関する世論調査によると、回答者の9割が市民の自主的な取り組みが大切であると考え、6割がNPOを信頼している。今後NPOの活動を活発にするためには、行政には情報提供や悪質NPOの排除を行うことを期待しているとの回答が多い。

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なお、意見交換終了後、全会員企業を対象に実施した「2012年度社会貢献活動実績調査」の結果報告書が取りまとめられた。

【政治社会本部】