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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年1月1日 No.3160 山本領土担当相から領土・主権めぐる情勢等を聞く -経済外交委員会

発言する山本領土担当相

経団連の経済外交委員会(川村隆委員長、大林剛郎共同委員長)は12月18日、東京・大手町の経団連会館で山本一太領土担当大臣を来賓に迎え、わが国の領土・主権をめぐる最近の情勢等について聞いた。山本大臣の説明概要は次のとおり。

■ 領土・主権をめぐる最近の情勢について

尖閣諸島は歴史的にも、国際法的にもわが国固有の領土であるが、中国公船によるわが国領海への侵入などわが国の主権をめぐって挑戦を受けている。日本の立場について諸外国の理解を得るため、「力による一方的な現状変更は許されない」「中国は76年もの間、日本による尖閣諸島の領有に一切異議を唱えなかった」とのメッセージを発信している。これは米国をはじめ各国政府やメディアからも支持を得ている。

また、竹島は歴史的にも、国際法的にもわが国固有の領土であり、1952年の一方的な李承晩ラインの設定に始まる韓国による占拠は国際法上何ら根拠のない不法占拠である。竹島問題について、日本政府は1954年から国際司法裁判所への付託を3度にわたって提案しており、一貫して国際法に則った平和的な解決を追求してきた。

北方領土については、1945年8月以降、ソ連・ロシアが法的根拠のないかたちで占拠している。1956年の日ソ共同宣言では、平和条約締結後にソ連が歯舞群島、色丹島を返還することに合意したものの、現在に至るまで平和条約を締結できていない。北方四島の帰属の問題を解決し、日露平和条約を締結するという一貫した基本方針のもと、強い意志を持って外交交渉を推進していくことが重要である。安倍政権のもと、両国首脳の接触は非常に活発になっており、2013年に入りすでに4回首脳会談を開催、領土交渉のための次官級協議も8月に開催され、次回協議が1月末または2月初めに開催される予定である。

■ 内外発信の強化

4月に領土担当大臣として「領土・主権をめぐる内外発信に関する有識者懇談会」を立ち上げた。私自身も出席し意見を述べ、7月に報告書が取りまとめられた。報告書のポイントの一つ目は、第三国の共感を得られるメッセージの発信・コンテンツの作成、二つ目は、政府関係者のみならず、経済界や国内各界、メディアの方々にもそれぞれの立場で発信していただく重層的な発信、英語での発信の強化、三つ目は国内啓発の強化である。私自身が海外出張して、率先してメッセージを発信するなど、政府全体としてこれらの提言のフォローアップに努めている。

アベノミクスの効果で日本が世界の表舞台に戻ってくるイメージが広がり、海外からの有力者の訪日が増えている。また、10月には東京で日米安全保障協議委員会(「2+2」)を開催するなど同盟国等との連携も強化している。領土・主権をめぐる問題では、日本が経済を再生し、世界で存在感を発揮することが究極の処方箋と考える。

【国際経済本部】

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