Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年1月1日 No.3160  スポーツ推進委員会が初会合開催 -経済界全体でスポーツ支援の強化推進/竹田JOC会長から2020年東京五輪開催に向けた取り組み聞く

講演する竹田JOC会長

あいさつする豊田委員長(右)

経団連のスポーツ推進委員会(豊田章男委員長)は12月20日、東京・大手町の経団連会館で初会合を開催した。日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恆和会長を来賓に迎え、約150名が出席した。

経団連は一昨年、教育問題委員会(川村隆委員長)のもとに「スポーツ推進部会」を設置したが、2020年オリンピック・パラリンピックの東京開催決定も受けて、経済界によるスポーツ支援を一段と強化するため、新たにスポーツ推進委員会を発足させた。

会合の冒頭、豊田委員長は、「スポーツの力で、日本を成熟した先進国家、よりよい国にしていく努力が求められている。私も学生時代にホッケーで鍛えられ、試練に折れない心が養われた。経営者としても、会社の運動部の応援に出かけ、選手が懸命に戦う姿に、会社の看板を背負って戦う者同士のシンパシーを感じ、感動と勇気をもらっている。委員会活動を通じて、スポーツに恩返ししたい」と抱負を語った。

続いて、竹田JOC会長が講演した。概要は次のとおり。

■ 20年オリンピック・パラリンピックの東京開催に向けて

20年オリンピック・パラリンピックの東京招致にあたっては、経団連に募金面で協力いただくとともに政財界、スポーツ界が一体となりオールジャパン体制で取り組んだことが成功につながった。

再び東京オリンピックを開催する意義は何か。1964年の東京オリンピックと日本代表選手の活躍によって、われわれは誇りや自信を持つことができた。今度は、次代を担う若者に同様の経験をしてほしい。20年オリンピック・パラリンピックは震災復興のシンボルでもある。

20年オリンピック・パラリンピックは、競技の85%を8キロメートル圏内で開催するコンパクトさが特色である。選手に優しく、セキュリティー確保や関係者の移動などの面でも好ましい。現在、大会の組織委員会を1月に発足させる準備を進めている。1年後には、詳細な開催計画を国際オリンピック委員会へ提出する。与えられた時間は長くない。

東京オリンピック・パラリンピックの成功には日本代表選手の活躍が不可欠であり、25~30個の金メダルを獲得して世界第3位の成績をあげることが目標である。1964年も16の金メダルで第3位だったが、現在は種目が増えており、日本のお家芸だけではなく幅広い競技の強化が必要である。東京大会の成功に向けて、引き続き支援をお願いしたい。

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講演終了後、スポーツ推進委員会の活動方針が審議、了承された。

  1. (1)企業によるスポーツ支援の強化
    • スポーツを通じた青少年教育、人材育成
    • スポーツ関連ビジネスの振興
    • スポーツ普及活動を通じた被災地復興、地域活性化
    • 企業スポーツチームの活動強化、個人選手の支援
    • 選手のセカンド・キャリア形成支援
  2. (2)20年オリンピック・パラリンピックの東京開催成功に向けて
    • 企業チーム・選手の強化を通じたスポーツ各競技のレベル向上
    • 選手の能力向上に資する研究開発
    • スポンサー活動を通じた協力
    • 政府・自治体による体制整備への提言

【社会広報本部】