Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年1月30日 No.3163  第117回経団連労使フォーラム開催 -日本経済を本格的成長軌道へ~国際競争に勝ち抜く経営戦略と人材育成を考える

あいさつする米倉会長

経団連事業サービス(米倉弘昌会長)は1月27、28の両日、東京・大手町の経団連会館で第117回経団連労使フォーラムを開催した。企業経営者や人事・労務担当者ら約260人が参加し、「日本経済を本格的成長軌道へ」をテーマに、春季労使交渉・協議に向けた労使の重要課題について討議を行った。また、マクロ経済や国際情勢に関する問題から女性の活躍推進を含むダイバーシティに関わる企業の取り組みまで、労使交渉をめぐる現下の情勢をさまざまな角度から幅広く取り上げた。

冒頭、基調講演を行った篠田和久副会長は、民間企業こそが経済成長を実現する主体であり、収益を拡大させ、それを設備投資や雇用の拡大、賃金の引き上げなどにつなげ、経済好循環の実現に努めていくと述べた(要旨別掲)。

続いて大和総研チーフエコノミストの熊谷亮丸氏が「2014年・日本経済の行方」と題して講演。アベノミクス効果で日本経済は着実に回復に向かい、今後米国経済の持ち直しもあり、堅調な成長が続くとの見通しを示した。次に2014年版『経営労働政策委員会報告』について、川本裕康・経団連常務理事が解説。

「グローバル戦略の展開と人材育成」をテーマに日本郵船の宮原耕治会長、昭和電工の高橋恭平会長、花王の尾崎元規取締役会会長により行われた鼎談では、グローバル戦略の現状、それを支える人材像と育成方針など、各社・業界の具体例が紹介された。

1日目の最後には連合の古賀伸明会長が「労働運動の課題と挑戦」をテーマに講演。デフレ脱却を目指し、月例賃金の引上げ(1%以上)等を求め、「底上げ」「格差是正」に全力をあげて取り組むとの方針を表明。

2日目には、米倉経団連会長があいさつを行い、経済の好循環実現に向け、企業労使が十分な話し合いを重ね、自社の状況にかなった「解」を見いだすことへの期待を示した。

また企業の労務担当役員と産別労組リーダーが「今次労使交渉に臨む方針」について、それぞれ講演を行った。和田慶宏・旭化成取締役上席執行役員、大隅信幸・三菱電機取締役常務執行役人事部長、進藤孝生・新日鐵住金副社長の3氏は、個別企業労使が議論を積み重ね、各社の経営実態を踏まえた協議・決定を行うことが重要と説明。一方、相原康伸・自動車総連会長、澤田和男・基幹労連中央執行委員長代行、逢見直人・UAゼンセン会長の3氏が、各産別労組の要求の考え方や内容をそれぞれ説明した。

続いて「多様性を力に~ダイバーシティを再考する」をテーマに、高山靖子・資生堂常勤監査役、横山泰和・東日本旅客鉄道執行役員人事部長、藤本圭子・セブン-イレブン・ジャパン執行役員秘書室長をパネリストに、中川順子・野村ホールディングス執行役員のコーディネートのもとパネルディスカッションを実施。各社の事例を参考に、目指すべき方向性や課題について討議した。

特別講演「今後の国際情勢と日本の課題」では、拓殖大学特任教授・前防衛大臣の森本敏氏が、東アジア情勢や米国との関係を中心に解説し、わが国の外交・安全保障の方向性を示した。

【経団連事業サービス】