Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年5月29日 No.3178  英国外務省のキング気候変動特別代表と意見交換 -地球温暖化対策に関する技術等で議論

地球温暖化対策に関しては、昨年の国連気候変動枠組条約第19回締約国会議(COP19)で、2020年以降の自国の目標等について、準備ができた国は15年3月末までに示すこととされた。こうしたなか、EU内でも特に温暖化対策に積極的な英国から、外務大臣付気候変動特別代表のサー・デービッド・キング氏が来日した。

そこで、経団連の環境安全委員会地球環境部会の佐久間総一郎部会長らは13日、東京・大手町の経団連会館で会合を開き、地球温暖化対策を進める方策等について意見交換を行った。

■ 地球温暖化対策における技術の重要性

会合の冒頭、キング氏は、気候変動への対応が人類の最大の課題であると指摘。世界の温室効果ガス排出量は増え続けており、持続可能ではないと述べた。また、すべての国が参加する20年以降の国際枠組みにおいて、地球規模で排出削減を実現させるためには15年のCOP21での合意に向け、今年のCOP20が重要であるとの見解を示した。

続いて、環境と経済の両立のカギを握るのは優れた技術であることを念頭に、環境技術に関する研究開発に長期的な視点で取り組むことが重要と強調。株式の流動性が高まったことで、企業は短期間で成果を上げるよう求められるという問題が生じているとの認識を示したうえで、日本企業が長期的な視点で研究開発を進めて優れた技術・製品を生み出していることを賞賛した。

一方、エネルギー政策に関しては、英国では将来的にも積極的に原子力発電を利用していくとの方針を紹介したうえで、中長期的な温暖化対策の観点から、日本でも原子力発電を利用すべきだと強調した。

■ 具体的な削減技術に関し議論

続いて、経団連側出席者から、ハイブリッド車・電気自動車・燃料電池車等の次世代自動車、太陽光・風力等の再生可能エネルギーや蓄電池、高効率火力発電、CCS(二酸化炭素回収・貯留)、高機能鋼材、水素で鉄鉱石を還元する革新的製鉄プロセス等、地球温暖化対策に貢献する技術・製品に関して説明を行った。

これに対してキング氏は、電気自動車の普及とともに、電力の脱炭素化にも取り組むことが重要との考え方を示した。

また、日本の企業がプラスチックを使用して車を生産していることを挙げ、日本産業界の持つ技術力への期待感を表明した。

【環境本部】