Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年6月26日 No.3182  外務省の中東アフリカ大使会議に協力

外務省は10日から13日の4日間、わが国の中東アフリカ地域駐在大使の参加を得て、中東アフリカ大使会議を行った。経団連では、この機会に中東・北アフリカ諸国に駐在する大使を招き、中東・北アフリカ地域委員会等のメンバーとの懇談会を開催するとともに、外務省で開催されたアフリカ駐在大使と経団連との懇談会に、サブサハラ地域委員会等のメンバーが参加した。それぞれの会議の概要は次のとおり。

中東・北アフリカ駐在大使との懇談会を開催/中東情勢で意見交換

経団連は12日、東京・大手町の経団連会館で中東・北アフリカ諸国に駐在する21名の大使のうちアラブ首長国連邦、アルジェリア、イスラエル、イラク、イラン、エジプト、カタール、サウジアラビア、トルコに駐在する9大使を招き、中東情勢に関する懇談会を開催した。経団連からは、木村康副会長・中東・北アフリカ地域委員長、石飛修中東・北アフリカ地域委員会共同委員長、竹内敬介日本アルジェリア経済委員長、釡和明日本トルコ経済委員長ら約50名が出席した。

冒頭、木村副会長・中東・北アフリカ地域委員長が、わが国経済界が同地域において資源・エネルギーを中心に幅広い分野で重層的かつ互恵的な関係の構築を目指して、日本政府とともに日本アラブ経済フォーラムを開催してきたことを紹介した。また、中東・北アフリカにはODA卒業国が多いものの、若者の就職難を背景に、日本企業の投資と人材育成協力に期待が寄せられていることから、民間企業が深く関与できるコストシェア技術協力(注)の実施や、日本企業の進出先国における安全確保への一層の協力を要請した。

他方、イラク、エジプト、サウジアラビア、トルコの4大使からは各国の課題について報告があり、安全確保や経済協力の進め方について、幅広く意見交換を行った。

閉会に際し、石飛共同委員長が、エネルギー安全確保の観点からの同地域の重要性をあらためて指摘、民間企業がビジネスを通じて日本と同地域の懸け橋として尽力していきたいと締めくくった。

(注)コストシェア技術協力=有償の技術協力。相手国政府の一定のコスト負担で日本での研修、専門家派遣などの技術協力を行う仕組み

アフリカ駐在大使との懇談会に参加/インフラビジネスなどめぐり意見交換

経団連は11日、外務省で28名のアフリカ在外公館代表と外務省の岡村善文アフリカ部長、経済産業省の中山泰則審議官、JICA(国際協力機構)の乾英二アフリカ部長らと、同地域でのインフラビジネス、ビジネス環境、人材育成等をめぐって意見交換を行った。

冒頭、加瀬豊サブサハラ地域委員会共同委員長が日本企業のアフリカ進出の手法などを紹介。次いで、経団連側から現地事業活動について、欧州企業と組んでアフリカ全土で商業ビジネスを進める成功事例と、インフラ不足、税制の未整備、高関税、コピー製品との競争などの課題の多い現地生産の二つの事例を紹介した。

これに対し外務省側から、「今回指摘のあった現状に留意し適切に対応したい」とのコメントとともに、「制度を柔軟に運用して投資を優遇する事例もあり、日本企業が積極的にリスクをとって投資することも検討願いたい」との要望があった。

また、複数の大使から、途上国(企業)と組んで第三国を支援する三角協力や人材育成の重要性が指摘された。

最後に、野路國夫サブサハラ地域委員長が、「民間企業はもっとリスクをとってアフリカに進出していくことが求められる。その際、日本の弱点を補完できる現地パートナーを見つけ、育てることが課題である。政府と連携してこれらの課題を克服し、アフリカの発展に貢献していきたい」と述べた。

そのほか、経団連側から政府と全大使に対して、中国・韓国企業の進出情報の提供や、現地のビジネス環境整備に向けた働きかけを要請した。

【国際協力本部】