Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年11月27日 No.3202  APEC CEOサミットに参加 -アジア・太平洋地域の持続的・互恵的発展について議論

イノベーション・セッションで発言する古賀副会長(中央)

APEC(アジア太平洋経済協力)CEOサミットが9、10の両日、中国の北京で開催され、経団連から古賀信行副会長が参加した。

APEC CEOサミットは、毎年のAPEC首脳会議開催に合わせて、政府・経済界首脳が一堂に会し、議論を通じ相互理解を深めるために開催されている。今回は、「アジア太平洋のパートナーシップによる将来の形成」を統一テーマに、地域経済統合、世界経済、経済改革、イノベーション、国際金融、インフラ整備等をテーマとする13のパネル・セッションで議論が展開された。

開会セッションで、主催国を代表し中国の習近平国家主席があいさつし、中国は合理的な範囲内で安定と発展を維持していること、貿易・投資の自由化と円滑化を推進し、地域経済統合を加速し、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)のプロセスを始動することを強調した。また、APECはアジア太平洋地域の課題に取り組むうえで、経済協力の枠組みとして重要であり、経済成長を後押しすべきと述べた。

また、オバマ米国大統領が最後のセッションで講演し、米国がアジア太平洋国家として同地域に関与し指導力を発揮していくと述べた。また、中国の平和的台頭を歓迎し、気候変動や核不拡散等での協力を模索するとともに、中国での外国企業に対する平等な扱いや知的財産権の保護、人権や報道の自由の確立を求めた。

イノベーションのセッションにおいては、古賀副会長、ジョン・レックライター・イライリリー(米国製薬企業)会長、スーザン・シュワブ元米通商代表部(USTR)代表、楊元慶レノボ会長が登壇し、イノベーションを促進する社会の構築をめぐり意見交換を行った。

古賀副会長は、イノベーションが多くの試行錯誤から生まれることを踏まえ、失敗を許容する社会や長期のコミットメントが重要であることを強調した。他のパネリストからも、(1)高度な人材の育成(2)公正で透明性の高い政策とルール(3)研究開発投資の継続(4)知的財産の保護(5)失敗しても再スタートできる環境の重要性――等について指摘があった。中国の参加者からは、中国でも国営企業・研究所を中心とした体制からイノベーション型民間企業が今後の発展の中心となるとの見解が示された。

【国際経済本部】