Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年7月2日 No.3230  「経団連ビジョンの実現に向けて」 -東京工業大学で友野副会長が講演

経団連は今年1月に公表したビジョン「『豊かで活力ある日本』の再生 ― Innovation & Globalization」の内容を、広く次代を担う人材に共有してもらうため、主要な大学において、経団連副会長による講演を実施している。その第3回として6月16日、友野宏副会長が東京工業大学(東京都目黒区)において、「イノベーション&グローバリゼーション―経団連ビジョンの実現に向けて」と題する特別講義を行った。当日は、同大学で将来、大学や企業での活躍を目指す博士後期課程の学生約100名が参加して、熱心に講義を聞くとともに活発な意見交換を行った。

■ 博士人材への期待―「企業で働く覚悟」

三島良直学長が開会あいさつをした後、友野副会長は、「経団連ビジョン」の内容を示しつつ、「日本経済再生のためには、技術革新や社会構造の変革をもたらすイノベーションの推進や世界の成長を取り込むグローバリゼーションの展開が不可欠である」と指摘。戦後の日米鉄鋼業界逆転の事例などを示しながら、プロセスやビジネス・モデルにおけるイノベーションの重要性を説明した。

また、工学博士である自らの体験や新日鐵住金の事例を交えつつ、「企業で働くこと」をテーマに、日本企業における博士課程修了者の採用・処遇の実態や博士に対する評価、期待などを説明。企業が採用したいよい人材とは、企業で働く覚悟のある人であること、企業への就職にあたり、博士人材は、企業の嘱託研究員への応募やインターンシップ、企業との共同研究などを通じて、自らの適性と市場価値を確認することが重要である旨を指摘した。

<意見交換>

質疑では、学生が「博士に求められるのは高い専門性以外に何か」と質問したのに対し、友野副会長は、「博士が高い専門知識を持っているのは、いわば当たり前で、その専門性をもって仕事を遂行するための土台となる人間性や、自分の仕事は日本のために役立つという仕事へのパッション、強い思いが重要」と答えた。

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経団連では今後も副会長による大学での経団連ビジョンに関する講義を実施していく予定。

【経済政策本部、教育・スポーツ推進本部】