Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年8月6日 No.3235  エルナンデス・ホンジュラス大統領との懇談会開催 -インフラ整備への日本企業の参加に期待

エルナンデス大統領(左)と小島中南米地域委員長

経団連の中南米地域委員会(小島順彦委員長)は7月23日、都内でフアン・オルランド・エルナンデス・ホンジュラス大統領一行との懇談会を開催した。

冒頭小島委員長は、中米地域におけるビジネスの活性化にはインフラ整備が不可欠であり、民間のノウハウと資金を活用することが必要であると述べた。エルナンデス大統領は、太平洋と大西洋を結ぶ物流網のインフラ整備計画を説明するとともに、開発案件への日本企業の参加を呼びかけた。

また、懇談会には、大統領のほか、コラーレス外務・国際協力大臣、リベラ経済開発大臣、オルドニェス・インフラ公共事業大臣も出席し、中米に関心のある日本企業との交流を行った。エルナンデス大統領の発言の概要は次のとおり。

現在ホンジュラスでは変革が進んでおり、直近の経済成長は地域平均を超える4%に達する見込みである。南米と北米および太平洋と大西洋の中心という地理的な優位性を活かし、陸上輸送路および港を整備することで、ホンジュラスを中米の物流センターとする計画である。高速道路、鉄道、港湾の開発は80億~100億ドル規模のコンセッションを予定しており、日本企業にもこれらの開発に参加してほしい。

また、中米統合の新モデルを考えており、最初のステップとして、グアテマラとホンジュラスで関税同盟をつくる。この2カ国は、領土、人口、GDP、貿易において、中米の約半分を占めている。さらに中米全域に関税同盟を拡大させ、自由貿易を推進したいと考えている。あわせて、メキシコ、グアテマラ、エルサルバドルとパイプラインを構築するための協定を結び、エネルギーにかかるコスト削減を図る。

このような発展に向けた取り組みを推進するため、投資家を保護する措置として、(1)国内外の調停環境の整備(2)法的・財政的な安定性の確保(3)国家の優先プロジェクトに対するファストトラックの適用――等を推進している。

ホンジュラスは、政府だけでなく民間企業もアジアと交流を持とうとしている。特に今回の訪問で、ホンジュラスと日本の関係は非常に深化したととらえている。

【国際協力本部】