Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年8月11日 No.3282  奥野全中会長をはじめJAグループ首脳と懇談 -経済界と農業界の連携プロジェクトの進捗確認

経団連は農業の成長産業化に向けて、2013年からJAグループとの連携を強化してきた。その一環として2日、都内で両首脳間の懇談会を開催し、連携プロジェクトの進捗状況を確認するとともに、今後の取り組みの方向性について議論した。

経団連からは、榊原定征会長、十倉雅和副会長・農業活性化委員長、飯島彰己副会長、中村邦晴審議員会副議長・通商政策委員長、JAグループからは、全国農業協同組合中央会(全中)の奥野長衛会長、全国農業協同組合連合会(全農)の長澤豊副会長らが出席した。

冒頭、奥野会長は、「農業を『生業』から『産業』に成長させていきたい。TPP(環太平洋パートナーシップ)協定締結等の環境変化のなかで、課題解決にあたり、農業の構造改革を進めるとともに、経済界と一緒に具体的なプロジェクト等に取り組みたい」と述べた。

これを受けて榊原会長は、成長産業としての農業に対する期待はますます高まっていると指摘したうえで、「経済界としては、これまで蓄積してきた技術やノウハウを、農業の現場の課題に対するソリューションとして提供し、農業の生産性や付加価値の向上に貢献したい」と応じた。

続く活動報告では、全農から、14年から取り組んでいる5つの案件と、16年春に協議を開始した9つの案件について報告があった。今後、継続案件の早期実現と課題の深掘りに取り組むことを確認した。また、全中は、今後のJAグループの自己改革の取り組みや政策提言について説明した。

その後の懇談では、経団連側から、TPP協定締結や日EU経済連携協定の進展は農業にとってチャンスでもあり、安定的な供給体制の構築、国際基準の積極的な取得、経営人材の確保・育成等に取り組むべきとの指摘があった。JA側からは、「中山間地の農業振興についても、スピード感のある創造的な改革が必要」「商品開発には企業側の継続的な参画・協力が重要」等の意見が寄せられた。

閉会に際して、榊原・奥野両会長は、今後も定期的・継続的にトップ同士の懇談会を開催することで合意した。

【産業政策本部】