Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年11月17日 No.3293  「2015年度福利厚生費調査結果」の概要公表 -法定外福利費が9年ぶりに増加

2015年度福利厚生費等の項目別内訳

経団連は14日、「2015年度福利厚生費調査結果」の概要を公表した。2015年度における企業の福利厚生費(法定福利費=社会保険料等にかかる企業負担分の費用と、法定外福利費=企業が独自に行う福祉政策にかかる費用の合計)負担は、従業員1人1カ月当たり、11万627円となり、前年度から2.1%増加し初めて11万円を超えた(図表参照)。

福利厚生費のうち、法定福利費は8万5165円(前年度比2.0%増)となり、6年連続の増加。さらに、法定外福利費は2万5462円(同2.3%増)となり、9年ぶりの増加となった。

法定福利費の増加の要因としては、現金給与総額の増加や厚生年金保険料率の引き上げ、また、健康保険料率を引き上げた健康保険組合が多くあったことなどがある。

法定外福利費は抑制傾向が続いているものの、9年ぶりに増加に転じた。法定外福利費の伸びが現金給与総額、法定福利費の伸びを上回るのは02年度以来。ただし、02年度は調査方法を大幅に変更し、数値の変動幅が大きいため、それ以前では1993年度まで遡る。

内訳をみると、医療・健康費用の「ヘルスケアサポート」が大幅に増加し(1036円、前年度比10.6%増)と、初めて1000円を超えた。この要因として、昨年12月から義務化されたストレスチェックへの対応や健康経営への関心の高まりが考えられる。また「育児関連」も387円(同11.2%増)となり、引き続き企業が子育て支援策を充実させていることがうかがえる。

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福利厚生費調査は1955年度から毎年実施し、今回で60回目。福利厚生費の各項目について企業の年間負担総額を年間延べ従業員数で除した1人1カ月当たりの平均値(加重平均)を算出したもの。有効回答企業数は667社(有効回答率40.5%)、回答企業の平均従業員数は4583人。

【労働法制本部】