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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年11月24日 No.3294 第43回北陸地方経済懇談会を開催 -「地方創生のモデル地域を目指す北陸~GDP600兆円経済の実現に向けて」をテーマに

あいさつする榊原会長

経団連と北陸経済連合会(北経連、久和進会長)は8日、金沢市内で「第43回北陸地方経済懇談会」を開催した。経団連から榊原定征会長はじめ審議員会議長、副会長らが、北経連から久和会長はじめ会員約160名が参加。「地方創生のモデル地域を目指す北陸~GDP600兆円経済の実現に向けて」をテーマに意見交換を行った。

また、懇談会前の昼食懇談会では、谷本正憲石川県知事を招き、北陸新幹線の開業効果や石川県の創生について、北経連首脳らを交え意見交換を行った。

開会あいさつで北経連の久和会長は、北陸新幹線金沢開業の経済波及効果について言及。金沢を中心にホテル・旅館のリニューアルや新設など、積極的な投資がみられることに加え、沿線の富山県や福井県でも観光客の消費拡大、国内外からの投資拡充、雇用改善などの効果が生まれるなど、新幹線が北陸地方の創生の基盤となっているとの認識を示した。また、今年度から5年間を対象とする「第4次中期アクションプラン」を北経連が策定したことを紹介。北陸の優位性を活かし、さらなる発展を図ることで、北陸が地方創生のモデル地域となるべく取り組みを積極的に進めるとした。

続いてあいさつした経団連の榊原会長は、わが国経済は全体として緩やかながら着実に回復基調をたどっているものの、足元では一部力強さを欠く状態が続いていると指摘。デフレからの脱却と経済再生を確実に実現し、GDP600兆円経済への確固たる道筋をつけるための正念場であるとの認識を示すとともに、経団連として政治との連携をしっかり取りながら、山積する重要政策課題に全力で取り組んでいくとの決意を表明した。そのうえで、地域経済の活性化は、わが国経済再生に向けた最重要課題であるとし、9月に北経連と締結した連携協定(9月29日号既報)に基づき、北陸地方の企業・大学と大企業とのマッチングの推進、イノベーションの創出に向けた地方版規制改革の着実な進展などに取り組み、北陸経済の活性化に貢献するとした。

■ 住みたい、働きたい、魅力あふれる北陸

その後2つのテーマを設定して意見交換が行われた。まず「住みたい、働きたい、魅力あふれる北陸」では、地域力向上と産業振興に関する北経連の問題提起に対し、経団連から(1)元気で魅力あふれる地域づくりには、産学連携などによる地域を挙げた地場産業の活性化、低廉かつ安定的なエネルギー供給が必要(岡本毅副会長)(2)Society 5.0の実現には、情報通信関連技術だけでなく、当地のライフサイエンスや高機能新素材など、ハード分野の技術も重要(宮永俊一副会長)(3)「北陸産業競争力強化戦略」の着実な実行を通じた基幹産業の育成・強化が地域産業の成長を後押しする(十倉雅和副会長)(4)北陸はトップクラスの暮らしやすさ、働きやすさとの評価もあり、北陸の取り組みを成功モデルとして展開していくことが重要(岡本圀衞副会長)――との意見があった。

■ 日本海国土軸の中枢としての役割と、人や企業を惹きつける北陸

「日本海国土軸の中枢としての役割と、人や企業を惹きつける北陸」では、社会基盤の整備・促進と広域観光の推進・強化に関する北経連の問題提起に対し、経団連から(1)北陸新幹線の大阪延伸や中部縦貫自動車道のミッシングリンク解消は、観光のみならず、すべての人流・物流の活性化、大規模災害への対応力強化の観点からも重要(岩沙弘道審議員会議長)(2)経団連としても産業振興や人材育成に向けた北陸のさまざまな取り組みをサポートしていきたい(飯島彰己副会長)――との意見があった。

最後に古賀信行副会長が、観光などの広域連携での取り組みや教育の充実など、北陸が有し、地方創生のモデルとなり得る要素を堅持し続けるとともに、9月に締結した北経連と経団連との連携協定などを活用し、引き続き北陸経済の活性化に取り組んでほしいと締めくくった。

測量用ドローンの説明を受ける一行

懇談会に先立ち、同日の午前中に、小松市内のコマツ粟津工場を訪問。野路國夫会長(審議員会副議長)の案内のもと、労働力不足や施工効率の向上などといった建設現場が抱える課題をIoT(Internet of Things)の活用により解決するスマートコンストラクションなど、Society 5.0の実現に向けた取り組みを視察した。

【総務本部】

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