Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年1月19日 No.3300  第5回リーダーシップ・メンター・プログラム開催 -メンターに岩沙審議員会議長を迎え、女性のネットワーク構築を支援

経団連は、女性役員のさらなる活躍を応援する「経団連女性エグゼクティブ・ネットワーク」の活動の一環として12月21日、東京・大手町の経団連会館で「第5回リーダーシップ・メンター・プログラム」を開催した。

メンターとして岩沙弘道審議員会議長を迎え、吉田晴乃審議員会副議長・女性の活躍推進委員長を含め30名の各社女性役員が出席。岩沙議長の講話とともに率直な意見交換が行われた。岩沙議長の講話は次のとおり。

岩沙審議員会議長

かつて日本の不動産業界は、キャピタルゲインありきで成り立っていた。ところがバブル崩壊後、土地神話が崩壊し、不動産市場そのものが壊れてしまいかねないほどの状態となった。そのような時期(1998年)、社長に就任し、危機的状況を打破すべく、グローバルスタンダードであるインカムゲインで不動産価値を評価し市場を動かす不動産証券化市場いわゆる「J-REIT市場」の創設に尽力した。当初は、不動産の証券化に対する理解が進まず苦労したが、不動産のリーディングカンパニーである当社が業界を牽引し、不動産業界にイノベーションを起こしていくしかないと心に決めて取り組んだ。2016年に15周年を迎えたJ-REIT市場は、資産総額約15兆円の市場へと大きく成長した。

新しい時代の街づくりとして、01年には旧防衛庁跡地を入札によって取得し、総延べ床面積56万平方mの複合型施設を備えた「東京ミッドタウン」をつくった。新しい視点を取り入れたリアルな付加価値の創造を目指し、東京ミッドタウンの街づくりには女性の担当者をリーダーに据えて、商業テナントの選出から内装デザインに至るまで、彼女たちのアイデアを積極的に取り入れた。今日、東京ミッドタウンは、“都会の上質な日常”をテーマに年々価値を増すような“経年優化”の施設として皆さまに支持されている。来年で開業10年目を迎えるが、東京ディズニーランドに匹敵する年間3000万人が来場している。

こうした経験を通して女性役員の皆さんに伝えたいことは、リーダーが「信念を持つ」ことの重要性である。J-REITも東京ミッドタウンも、「日本のため、東京のため、日本の不動産業の再生のため」という大きな志を持って取り組んだ。大局観を持って時代を読み、新しい商品やサービス、分野を生み出していくイノベーションを起こす力が必要である。リーダーに男女の区別はないが、女性は男性に比べて直観力や究極的な公平性、コミュニケーション能力などに優れており、皆さんが女性であることの優位性も活かしてほしい。

皆さんは時代のフロントランナーであり、若い女性たちのロールモデルでもある。オフの時間の豊かさが仕事につながるので、オン・オフをしっかりと切り替えて活躍してほしい。また、これからは女性ばかりに活躍を求める時代ではなく、男性も変わらなければならない。今後も、人生の先輩として環境整備に努めていく。

■ 女性活躍支援ネットワーキング・レセプションを同時開催

同プログラム終了後、女性役員とこれから管理職を目指す若手女性社員(「経団連女性チャレンジ支援講座」受講生)との「女性活躍支援ネットワーキング・レセプション」を開催。スペシャルゲストとして、岩沙議長にも参加いただき、150名以上の女性達が業種、業界を超えて交流した。

会場では「悩むより 覚悟・行動 自然体」「手をあげよう 未来の自分 わたし次第」などの“女子チャレ川柳”が披露された。

女性活躍支援ネットワーキング・レセプション

【政治・社会本部】