Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年7月27日 No.3325  1%クラブが「ユニバーサルマナー推進プロジェクト」説明会を開催

説明するミライロの垣内社長

1%(ワンパーセント)クラブ(二宮雅也会長)では、東京オリンピック・パラリンピック大会後のソフトレガシーの実現に向けて、企業やNPOと幅広く連携しながら、企業人が社会貢献活動に参画できる場づくりを推進している。その一環として、企業人が障害者や高齢者への理解を深めて適切に対応する「ユニバーサルマナー」を学び、実践する企画を立ち上げ、7月5日に東京・大手町の経団連会館で説明会を開催した。当日は自らも車いす生活を送るミライロの垣内俊哉社長によるバリアフリー社会に関する講演を交えながら、参加者にプロジェクトを紹介した。講演の概要は次のとおり。

障害者のための障壁を取り除く「バリアフリー」という言葉が使われるようになって約40年が経過した。現在、駅でのバリアフリー対応率は約8割に達し、日本ではバリアフリーが進んでいる。

しかし、社会には段差等の「環境のバリア」のほかに2つのバリアがある。1つは、無関心と過剰な対応に両極化される「意識のバリア」だ。ユニバーサルマナーを身につけ、自分と異なる人を思いやり、適切に理解して行動することが自然にできる人が増えてほしい。ハード面と異なり、人の対応はすぐに変えることができる。学びを基に、企業人が日常生活で適切に手を差し伸べれば、職場の人や周囲の子どももまねをし、社会に広がる。

もう1つは、バリアフリーに関する情報にアクセスしにくいという「情報のバリア」だ。店舗において、クレジットカードが使えることは視覚障害者にとって、また電源が利用できることは電動車いす利用者にとって役に立つだけでなく、だれにとっても重要な情報だ。当社ではバリアフリー情報を共有するアプリ「Bmaps」をつくり、これまで企業の社会貢献活動などを通じて5万カ所のバリアフリー情報を収集・発信した。今後、100万カ所の情報収集を目指す。

そして、ユニバーサルマナーを身につけた人には、イベント会場等で特別な介助が必要な人と向き合い、適切な対応を示してほしい。社会貢献のみならず、ビジネスにも直結するだろう。われわれは、多様な人々が活き活きと希望を実現できる社会を目指したい。

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1%クラブでは、「ユニバーサルマナーの習得」「バリアフリー情報の収集」「イベント会場での介助が必要な方々への応対」をパッケージにした社会貢献プログラムを計画している。今後、企業の賛同を募り、実施する予定である。

【教育・CSR本部】