Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年11月9日 No.3338  「女性市場」の開拓と経済の活性化について聞く

松下氏

経団連の女性の活躍推進委員会(吉田晴乃委員長、柄澤康喜委員長)は、女性の活躍を通じた経済成長の加速に向けて、求められる施策について検討を進めている。10月20日、都内で企画部会(中川順子部会長)を開催し、野村総合研究所上級コンサルタントの松下東子氏から、「女性市場の開拓と経済の活性化について」をテーマに説明を聞くとともに意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

■ わが国における男女の価値観と女性の役割

当社は、日本の女性を取り巻く環境の独自性を概観するとともに、日本の女性消費者に関して特に着目すべきセグメントを特定するべく、「日・米・中価値観調査」を実施している。これによれば、わが国は、男女問わず性別に基づく役割分担について否定的な考え方を持つ人が多い一方、保守的でチャレンジ志向や自己主張、将来を楽観する傾向が弱い。また、経済面・精神面で親からの支援が少ない傾向がある。

その結果、女性が家庭を優先し、家計における男性の「サブエンジン」的な役割にとどまっていることが多い。

■ 「インディ・ウーマン」「フルキャリ女性」の消費動向

米国では、キャリアや私生活を楽しむ独身未婚女性が女性人口の3分の1を占めており、消費先進層として昨今注目を集めている。彼女たちは「インディ・ウーマン」と呼ばれ、日本に当てはめれば約500万人存在すると推計される。インディ・ウーマンは、自由に使える金銭が同世代の有配偶女性の2~3倍と比較的多いほか、自身の趣味への出費や商品の品質の良さを重んじる「プレミアム志向」にあるため、わが国が消費拡大を目指すうえで注目に値する。

また近年、わが国では、キャリア重視の「バリキャリ女性」や私生活重視の「ゆるキャリ女性」とは異なり、出産などのライフイベントに前向きでかつキャリア志向の「フルキャリ女性」が増加している。こうした忙しい女性たちは、利便性を何よりも重視し高額消費をいとわないため、彼女たちの購買力も存在感を強めている。

■ 女性の活躍を通じた消費の拡大

わが国が女性の活躍を通じ消費の拡大を目指すうえでは、稼ぎ手としての自覚を女性に芽生えさせることで、消費性向の特に高い「インディ・ウーマン」や「フルキャリ女性」を増加させることや、そうした女性向けの商品・サービスの提供を増やすことが特に重要である。また、男女ともに余暇を楽しめるような社会を実現すれば、それに伴う消費の活性化を大いに期待することができる。

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その後の意見交換では、女性の意識改革に向けた社会保障制度の改革などについて、活発な議論が行われた。

【政治・社会本部】