Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年11月9日 No.3338  「経団連観光インターンシップ産学合同報告会」を開催 -立教大学・首都大学東京の学生が実習を踏まえ観光産業への提言等を発表/観光委員会

学生によるプレゼン~立教大学

学生によるプレゼン~首都大学東京

経団連の観光委員会(冨田哲郎委員長、菰田正信委員長)は10月18日に立教大学、11月1日に首都大学東京との間で、「経団連観光インターンシップ産学合同報告会」を開催した。

同委員会では、優れた企画力、行動力、イノベーション力を有する高度観光人材の育成を目指し、2011年度から立教大学、14年度から首都大学東京と連携して、インターンシッププログラムを実施している。同プログラムでは、企業等から派遣された講師による座学、派遣先での約10日間の職業実習に加えて、授業の集大成として実習先や観光産業への提言を取りまとめ、産業界の関係者が出席する場で報告する機会を設けている。今回は、立教大学から23名、首都大学東京から9名が同プログラムに参加した。

冒頭あいさつした今泉典彦企画部会長は、「現場の担い手不足の解消に加え、より持続可能なかたちでわが国の観光を競争力のある産業として発展させていくことが重要だ」と指摘。政府が掲げる目標の実現には人材が欠かせないとして、同インターンシップを、観光産業の未来を担う人材の育成の一助としたい旨を表明した。

これに対し、立教大学観光学部の毛谷村英治学部長は、近年の観光需要の高まりがもたらすメリット・負の影響の双方を踏まえつつ、経済発展につなげていけるよう観光教育に取り組んでいるとして、観光学部で学ぶことがさまざまな分野で活用できる時代を迎えつつあるなかで、このインターンシップが同大学の観光教育をより実践的なものにしていると評価。

首都大学東京都市環境学部の菊地俊夫自然・文化ツーリズムコース長は、来年度からの観光科学科への改組により観光人材の育成強化を図るとしたうえで、学生の発表内容に対し企業関係者からの鋭い指摘を得ることで議論を深めたいと述べた。

続いて、学生が、実習を通じて認識した自身の課題に加え、実習先や観光産業全体に対する提言について報告。具体的には、訪日外国人向け和食料理教室の開催、民泊利用者に対する鍵の受け渡しサービスの展開、帰省需要に着目した旅行商品の開発等のアイデアが出された。実習を通じて得た気づきをもとに検討された学生ならではの指摘も多く、出席した企業関係者からも、ターゲットやインセンティブの設定、コスト面の検討、人材・連携先の確保をはじめ、提案内容を具体化するうえでの実務的な課題を含めた質問や意見が相次ぐなど、活発な議論が行われた。

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経団連では、同インターンシッププログラムを通じて、観光先進国の実現に向けた高度観光人材の育成に取り組んでいく。引き続き会員企業の協力をお願いしたい。

インターンシップ受け入れ企業(12社)は次のとおり(50音順)。
アサヒビールコミュニケーションズ▽味の素▽ANA総合研究所▽近畿日本ツーリスト▽東京モノレール▽日本ホテル▽びゅうトラベルサービス▽三井不動産商業マネジメント▽三菱UFJニコス▽森トラスト・ホテルズ&リゾーツ▽ヤマト運輸▽リゾートトラスト

【産業政策本部】