Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年11月9日 No.3338  ワシントン・リポート<17> -榊原会長のワシントン訪問におけるひとコマ

日米協会60周年記念ディナーでスピーチする榊原会長

10月31日、榊原定征経団連会長率いるミッションが、オハイオ州での日程を終えワシントン入りした。会長ミッションのワシントン訪問は2015年6月以来だが、経団連としては、その間も毎年訪問団を派遣しており、今回が通算7回目となる。これは榊原経団連が日米関係をいかに重視してきたかの証左となっている。

前回本欄で、9月に外務省のプログラムで訪日したヴェラ下院議員(民主党、テキサス州選出)について紹介したが、11月1日に議会内で開催された米日議員連盟のライカート共同議長はじめメンバーとの会合では、参加したヴェラ議員から、訪日が実り多かったとの話に加え、フォローアップとして地元港湾管理委員会幹部が経団連米国事務所を訪ねたことの報告があった。また、11月6日の同議員主催レセプションへの案内とともに、「地元ブラウンズビルを訪問するなら来年1月の議会休会中はどうか」との打診があった。官民協力して知日派議員を増やすことにつながればと思っている。

11月1日夜に開催された日米協会の60周年記念ディナーには、経団連ミッションメンバーや2、3の両日開催された日米財界人会議の日本側メンバーも出席し、例年を大きく上回る350名規模の夕食会となった。ヘッドテーブルに着いた榊原会長の横にはバージニア州のマコーリフ知事、正面にはモンデール元駐日大使(元副大統領)が着席。マコーリフ知事は、いつもの軽妙な語り口で、バージニア・ファーストのメッセージをふんだんに盛り込んだあいさつを行い、会場を大いに沸かせた。15年の経団連ミッションでは、会長グループが同知事公邸での昼食会に招かれ歓待を受けており、その時のことを会長も懐かしそうに話題にした。モンデール元駐日大使は、アマコスト元駐日大使とともに、日米関係の発展に貢献のあった人に贈られるマーシャル・グリーン賞を授与された。齢89歳とは思えない矍鑠(かくしゃく)とした語り口で、日米関係の重要性と将来への期待を語られたのが印象的だった。

なお、前回15年に会長がワシントンを訪問した際は、米国事務所は同年11月の再開に向けて準備中であったため、開所予定地の視察にとどまった。今回は、会長がワシントン出発直前に、急遽同行記者団のインタビューを当事務所会議室で受けることとなり、その際に米国事務所の活動をじっくり説明する機会があった。米国事務所の再開は、日米関係に携わる多くの人たちから評価されてきたが、今年1月のトランプ政権発足後は、とりわけそのニーズの高さが指摘されている。引き続き内外の皆さまからの評価と期待に応えられるような活動に努めていきたい。

(米国事務所長 山越厚志)