Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年2月8日 No.3349  経団連グローバル人材育成モデル・カリキュラム

経団連は、上智大学と連携して2012年度から経団連グローバル人材育成モデル・カリキュラム「グローバル・ビジネスの現状と課題」を実施している。同講座は、全学共通・単位認定科目として開講。主に大学2、3年生を対象に、企業の実務担当者による講義を通じて、グローバル・ビジネスの実態や仕事への理解を深め、これからのグローバル・ビジネスの現場で求められる人材の素質・要件を考えながら各自のキャリアを考える機会を提供している。

今年度は30名の学生を対象に、経団連会員企業9社(※)が、各社のグローバル事業の現状や今後の方向性、直面する課題について講義を行い、グループ討議や講義後のレポート提出などを通じて、グローバル・ビジネスの現場で必要な考え方や持つべき視点等を学生に伝えてきた。これを受けて2月2日、東京・大手町の経団連会館で同講座の最終講義を実施した。

コーディネーターの小阪氏

最終講義では、学生が6グループに分かれ、同講座のコーディネーターを務めた小阪玄次郎准教授から提示された課題「企業はグローバル化を進めるなかで、さまざまな人材をめぐる課題に直面している。そのなかで、グローバルな人材をめぐる『ユニークな取り組み』を取り上げ、グローバルな人材育成に関し提言せよ」に対してプレゼンテーションを行った。

そのなかで、「外国語能力の高い人材がグローバル人材であると考えていたが、今回の企業の講義によって認識を改めた」と述べ、グローバル人材を「常に自分の責任を想定し、自発的に行動できる人」「多様性への柔軟さなどのスキルと、人間力やストレス耐性などのマインドをあわせ持つ人」などと定義した。そのうえで、そのような能力を持つ人材育成についてグループごとに提言。副業・兼業の導入による人材育成への効果や、既存社員だけでなく入社前の内定者も参加できる1年間の海外研修といった企業の具体的事例を取り上げながら、企業に対して「副業を後押しすることによる、国内にいながらのグローバル人材養成」や「業務と業務外のフィールドワークを組み合わせた海外研修の実施」などを提案した。他方、グローバル人材となるには社会人になってからの研鑽では遅く、学生のうちから多角的視野を持つためにさまざまなコミュニティーへの積極的な参加などが必要であることから、大学に対してもプログラムの工夫や留学奨学金の拡充などを求めた。

企業人講師からは「人材育成となると、企業でもすぐに『研修』となってしまう。今回提案してもらった『副業』や『多様な人材を組み合わせたジョブローテーション』といった視点はとても興味深い。定量的な切り口をバックデータとした提言であれば、より重みが出ると思う」など、学生の提言一つ一つにコメントが送られた。

経団連では4月から、主に導入講座を履修した大学3、4年生を対象に、内容をより掘り下げ、課題に対する解決策を考察・討議する「本講座」を開講する。

※ 味の素、伊藤忠商事、小松製作所、資生堂、積水化学工業、全日本空輸、大成建設、パナソニック、三井住友銀行

【教育・CSR本部】