Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年2月8日 No.3349  全国のNPO支援組織の関係者と意見交換

右から新田氏、鹿野氏、横田氏

日本にはNPOを支える中間支援組織が官民あわせて約350団体ある。そのうち民間の現場責任者が集まる日本NPOセンター主催のCEO会議にあわせて、経団連は1月25日、社会貢献担当者懇談会(金田晃一座長、山ノ川実夏座長)を開催した。昨年11月に改定した企業行動憲章を踏まえ、地域における持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた企業とNPOのパートナーシップのあり方について意見交換した。
NPO側の説明の概要は次のとおり。

■ 「地域におけるSDGsの取り組み」
新田英理子氏(日本NPOセンター/SDGs市民社会ネットワーク)

NPOはSDGs達成に向けて、(1)市民の視点から伝える(2)自組織のミッションの視点から推進する(3)政策提言を行う――という3つの役割を担っている。

地域におけるSDGsへの対応はまだ初期段階だが、すでにいくつかの取り組みがはじまっている。例えば、北海道ではSDGsを基に地域目標を策定した。そのほか、まちづくり条例の策定、震災復興、中山間地域の課題解決にSDGsの考え方を織り込む事例がある。

SDGsは、NPOが自治体や企業と協働する際に共通言語として役立つ。また、地域にある問題の全体像をつかむ助けにもなり、他の課題と結びつければ新しい活動を生み出せる。SDGsが地域の課題を解決するツールとなることを期待している。

■ 「地域の持続可能性を高めるための課題」
鹿野順一氏(いわて連携復興センター)

東日本大震災から約7年が経過し、被災地のNPOは二極化している。中長期的な視点から組織を運営しようとするNPOと、目先の事業の維持だけを考えて事業の運営に息切れ感を抱いているNPOに分かれている。将来的には、これが組織の存続と終息という結果になって顕現するだろう。

持続可能性という言葉が何を持続することを目指すのか、さまざまなとらえ方がある。私は「地域の主体性」の持続だと考えている。

そのため、企業には地域の理念を共有し継続的なパートナーになってほしい。一方でNPO支援組織には、自組織のみならず地域の将来を見据えた高い視座が求められる。

■ 「排除されやすい人への居場所と出番づくり」
横田能洋氏(茨城NPOセンター・コモンズ)

当センターでは、排除されやすい立場の人に居場所と出番を提供してきた。これはSDGsの「誰一人取り残さない」思想に共通する。

例えば、福祉制度の枠外にいる若年就労希望者には就労訓練を積む「中間的就労」の機会を提供してきた。また、在日外国人労働者には保育環境を整備して就労の幅を広げたり、子どもへの学習支援の機会を提供したりしてきた。

排除されやすい人が活躍できれば、地域に存在する企業の活力にもつながる。企業には、福祉制度の枠外にある支援プログラムへの寄付や助成を期待したい。特に、当事者を支える人づくりを支えてほしい。

【教育・CSR本部】