Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年3月1日 No.3352  「経済成長に必要なのはイノベーション」 -吉川東京大学名誉教授が幹事会で講演

経団連は2月20日、東京・大手町の経団連会館で幹事会を開催し、東京大学名誉教授・立正大学経済学部教授の吉川洋氏から、「日本経済の中長期的課題」と題する講演を聞いた。概要は次のとおり。

近年、人口減少により経済成長が頭打ちになると考える向きがあるが、これは間違っている。ドイツも日本と同様に人口が減っているが、イノベーションによって経済成長を実現している。経済成長に真に必要なのは、イノベーションである。また、イノベーションは企業によってのみ生み出されるものではない。例えば日本の港湾の国際競争力の低下は深刻だ。政府としてもイノベーションの実現に向けたインフラ整備などを後押ししていく必要がある。

なお、人口減少、少子高齢化のもとで安定的に財政運営をしていくことも重要な中長期的政策課題だ。そのためには、社会保障制度を安定的に維持するために必要なコストを一層透明化し、(増税をすることは)将来の安全・安心を買うことにつながるという意識を国民に持ってもらえるよう、政府として説明責任を果たしていくことが肝要である。

【総務本部】