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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年3月8日 No.3353 消費者志向経営トップセミナーを開催

経団連(榊原定征会長)は2月16日、東京・大手町の経団連会館で、消費者関連専門家会議(ACAP)、消費者庁との共催により、「2018消費者志向経営トップセミナー」を開催した。

冒頭、江﨑鐵磨内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)による主催者あいさつの後、第3回「ACAP消費者志向活動表彰」の表彰式、渡邉光一郎経団連審議員会副議長・消費者政策委員長(第一生命ホールディングス会長、消費者庁参与)による基調講演が行われた。続いて先進的な取り組みを進める企業や消費者団体等によるパネルディスカッションが行われ、「真の消費者志向経営とは」と題して、行政・事業者の取り組みや課題について活発な議論がなされた。

主催者あいさつと基調講演の概要は次のとおり。

■ 江﨑大臣主催者あいさつ

安心して安全で豊かな生活を送るためには、事業者が消費者とのコミュニケーションを一層拡充し、消費者志向経営に取り組むことが重要であり、消費者からの信頼を得ることが事業者の成長につながると考える。

「消費者志向自主宣言・フォローアップ活動」には、今年1月末時点で77事業者が参加している。2018年度からは、消費者志向自主宣言・フォローアップ活動を公表している事業者の取り組みを対象に、「消費者志向経営優良事例表彰」を開始し、消費者志向経営の一層の推進を図っていく。企業経営者には、優れたリーダーシップを発揮し、消費者志向経営の取り組みをさらに進めてほしい。

■ 基調講演
「消費者志向経営を目指して~第一生命グループ DSR経営の挑戦」

基調講演する渡邉委員長

当社で進める消費者志向経営について、経営とは何かという視点で説明する。

まず、旗印となるビジョン・理念をどう掲げるかが重要である。どんなによい旗印でも、実践を積まなければ意味をなさない。当社の旗印は、2010年の株式会社化の際にボトムアップで出てきた「いちばん、人を考える会社になる」である。

消費者志向経営の実践フレームワークの1つとして、「経営品質経営」がある。経営品質とは、製品そのものの質ではなく、それらを生み出す経営の質であり、その向上は終わりのない“Quality Journey”である。経営品質の基本理念は、顧客本位、独自能力、社員重視、社会との調和の4つで、近江商人の「三方よし」の考え方にも通じ、消費者・事業者・行政の協働という消費者基本法の基本理念にも重なる。どのように対話構造をつくっていくかがポイントとなる。経営品質のフレームワークとしては、経営全体をみるさまざまな要素をつなげて結果に結びつけることが重要で、整理することで経営が見える化され、全体が1つの動きをする。経営品質への取り組みは業種を問わず、国内の大学や病院でも進んでいる。

生産年齢人口の減少、世帯加入率が頭打ちとなる状況のなかで、持続的な成長を遂げるため、当社では、1997年に大胆な経営革新として経営品質向上活動をスタートさせた。「新創業」(株式会社化)を経て「DSR(Dai-ichi's Social Responsibility)経営」を打ち出し、創業者の残した言葉「最大たるより、『最良』たれ」のとおり、お客さまにとっての「最良」を目指している。DSR経営を推進するため、組織の横串を通した体制をつくり、好事例の共有・横展開、モチベーションアップなどに取り組んでいる。難しいのは、支社以下の組織にどう浸透させるか。各支社・営業オフィスで、DSR委員会を運営しており、ビジョンを共有したうえで、自組織の課題は何かを探り、お客さまに提供する価値を向上させていく仕組みをかたちづくっている。

これまでの当社の姿勢を理解いただくために、17年1月、消費者志向宣言を公表した。宣言に基づいた取り組みとして、お客さまの声を経営に反映する体制を構築している。その支えとなる内部統制システムも非常に重要である。消費者から直接意見を聞く取り組みも30年以上継続している。さらに、お客さまの声を分析して、PDCAサイクルを回し、たゆまぬ改善を実行している。苦情だけでなく、感謝の声も重視しながら、よりよいサービスを提供していく。

パネルディスカッション

【政治・社会本部】

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