Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年4月12日 No.3358  第37回日本・香港経済合同委員会を開催 -日・香港協力の可能性を探る

あいさつする永易委員長

経団連の日本・香港経済委員会(永易克典委員長)は3月28日、東京・大手町の経団連会館で第37回日本・香港経済合同委員会を開催した。日本側からは永易委員長はじめ37名が、香港側からは香港・日本経済委員長のビクター・チャ委員長はじめ22名が参加した。概要は次のとおり。

■ 一帯一路ならびに大湾区構想

開会にあたりあいさつした永易委員長は、香港は世界有数の国際金融、物流センターであり、中国の一帯一路構想においても重要な役割を担うとし、日本との協力余地は大きいと強調。これに対し、ビクター・チャ委員長は、日本と香港の間の貿易は拡大を続けており、互いに欠くことのできないパートナーであると指摘。香港は低率で簡素な税制、法の支配、強固な知的財産保護、資本や情報の自由な移動など「世界で最も自由な経済」を維持していくとした。

あいさつする梁振英中国人民政治協商会議全国
委員会副主席(右)とビクター・チャ委員長

続いてあいさつした梁振英中国人民政治協商会議全国委員会副主席(前香港行政長官)は、香港が有する一国二制度の利点を活かし、一帯一路構想をはじめ、日本と中国との「つなぎ手」としての役割を果たすことができると説明。広東省、香港、マカオの経済関係強化を通じて一大経済圏を目指す「大湾区構想」については、域内の人口6760万人、GDP1.3兆ドルと世界最大規模の構想であるとし、「構想の実現を通じて、さまざまな障壁を引き下げ、ヒト、モノ、資本、情報の流れを円滑化していく」との意欲を示した。

■ 日・香港協力

日・香港協力の大きな拡大が望める分野として、金融と物流、観光を取り上げ、議論を行った。

金融については、香港側から、日本企業は香港の中国系金融機関を活用することで、一帯一路に関するさまざまな情報とビジネスチャンスを得ることができるとの発言があった。観光については、日本側から、LCCの就航も相まって2013年ごろから、香港から日本への旅行客が急激に増えていると指摘。そのうえで、19年のラグビーワールドカップ、20年の東京オリンピック・パラリンピック、25年の関西での万国博覧会を通じたさらなる増大に期待を表明した。

来年の日本・香港経済委員会は香港での開催が予定されている。引き続き、双方が抱える課題について議論を行い、経済関係の活性化に取り組んでいく。

【国際協力本部】