Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年6月14日 No.3365  クアン・ベトナム国家主席歓迎昼食会を開催 -日越経済関係のさらなる強化に向けて意見交換

クアン国家主席(左から5人目)

経団連(中西宏明会長)、日本商工会議所(三村明夫会頭)、経済同友会(小林喜光代表幹事)、日本貿易会(中村邦晴会長)は5月30日、国賓として来日したベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席の歓迎昼食会を都内で開催した。ベトナム政府高官や同行の経済人を含め、両国合わせて約40名が出席した。

冒頭、榊原定征経団連会長(当時)が歓迎あいさつを行った。外交関係樹立45周年を迎えた両国は「広範な戦略的パートナーシップ」のもと、幅広い分野で協力関係を深めているとし、国家主席の来日を契機に、両国の友好・協力関係がますます強化されることに期待を表明した。

また、ベトナムは魅力的な市場であるとともに、日本企業のグローバルサプライチェーン戦略上の重要拠点であると指摘。日本の対越直接投資額が昨年過去最高を記録したことを紹介しつつ、「今後とも、経済や産業の成長、質の高いインフラ整備、雇用創出や人材育成等の面でベトナムのさらなる発展に貢献していきたい」と述べた。

そのうえで、両国官民による「日越共同イニシアティブ」等を通じたビジネス環境の一層の整備や、二国間社会保障協定の早期締結に期待を表明した。さらに、経済活動を制度的に支える基盤として経済連携の強化が重要であると述べ、TPP11に続き、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)が包括的かつ高い水準で早期締結されるよう、ベトナム政府によるリーダーシップの発揮に期待を示した。

これを受けてあいさつを行ったクアン国家主席は、今回の訪日を通じて、両国間の「広範な戦略的パートナーシップ」をさらに深化させるとともに、両国関係をすべての分野において一層緊密化したいと述べた。さらに、現在ベトナムのマクロ経済は安定していると説明したうえで、経済成長と環境保護を両立しながら、ダイナミックな国家として発展を遂げ、アジアにおける魅力的な投資先になるとの決意を示し、そのためにも、ビジネス環境の改善を一層推進すると強調。「日越共同イニシアティブ」の取り組みが海外からベトナムへの投資の増加に大きく貢献しているとして評価した。

加えて、民間や海外からの投資がベトナム経済・社会の発展や国際競争力を高める大きな力になるとの認識を示し、インフラ整備や裾野産業の振興、ハイテク農業、エネルギー、環境、金融等の分野での日本企業の投資を奨励するとした。

そのうえで、「ベトナムにおける日本企業の投資や経済活動が安定し、長期的に事業を行えるよう、ベトナムは今後も最良の条件を提供することを約束する」と述べ、両国経済関係の一層の強化に向けた決意を表明した。

【国際協力本部】