Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年7月12日 No.3369  関西会員懇談会を開催 -「GDP600兆円経済に向けて―Society 5.0を推進する」をテーマに

経団連(中西宏明会長)は7月5日、大阪市内で「関西会員懇談会」を開催した。中西会長をはじめ審議員会議長、副会長らが出席し、関西地区からは会員約500名が参加。「GDP600兆円経済に向けて―Society 5.0を推進する」を基本テーマに懇談した。

あいさつする中西会長

懇談会前の昼食懇談会では、関西経済連合会首脳と、Society 5.0の実現、経済外交の推進、国際的なイベント(2020年東京オリンピック・パラリンピック、25年大阪・関西万博誘致など)に向けた取り組みについて、意見交換を行った。

開会にあたり中西会長は、6月18日に大阪北部で起きた地震で犠牲になられた方々への弔意と、被災された方々へのお見舞いを表明。経団連としても関係各所と連携しながら支援すると述べた。

そのうえで、昨今のデジタル化の波を前向きに受けとめ、Society 5.0の実現を推進していくことが、経団連の最重要課題であると表明。また、財政再建や規制改革などの構造改革が求められると指摘した。さらに、自由で開かれた国際経済秩序の推進や25年大阪・関西万博の誘致実現などに向け、民間経済外交に積極的に取り組むと述べた。

続いて、5月31日の経団連定時総会で選任された隅修三副会長、冨田哲郎副会長、片野坂真哉副会長、杉森務副会長が抱負を述べた。

■ 関西経済の活性化に向けて

懇談ではまず、「関西経済の活性化」について、松本正義住友電気工業会長が、Society 5.0を通じたSDGsの達成、アジア各国との経済外交、関西におけるスポーツ振興の重要性を述べた。あわせて、25年大阪・関西万博の誘致実現に向けた協力要請があった。また、東和浩りそな銀行会長兼社長は、中小企業における事業承継と人手不足の課題を指摘した。

これに対し、(1)大阪・関西万博は「Society 5.0 for SDGs」の具体的な姿を世界へ発信する場であり、誘致に向け会員企業・団体の積極的な協力をお願いする(古賀信行審議員会議長)(2)東京オリンピック・パラリンピック等の成功に向けたムーブメントを盛り上げ、将来にレガシーを残すため、関西での活動を一層積極化していきたい(早川茂副会長)(3)事業承継と人手不足の課題解決に向け、女性や高齢者などの多様な人材の活躍や、地域の将来性や課題に精通した経営人材の育成が求められる(岡本毅副会長)(4)観光振興においても、国・地方自治体・企業が持つデータの有効活用を進めることが重要である(岡本圀衞副会長)(5)世界的に保護主義の動きが強まるなかで、日本とアジアが協力して地域経済連携の推進に向けた取り組みを強化することが求められる(小林健副会長)――と応じた。

■ 産業競争力強化に向けて

続いて「産業競争力強化」について、松下正幸パナソニック副会長から、「超スマート社会・Society 5.0」実現に向けたイノベーション創出に関する取り組みについて、大坪清レンゴー会長兼社長から、段ボール産業における生産性向上の取り組みについて、それぞれ紹介があった。

これに対し、(1)Society 5.0を実現するためには、オープンイノベーションの推進と、あらゆる主体が組織・分野を超えて連携する「イノベーションエコシステム」の構築が重要(山西健一郎副会長)(2)労働生産性向上と働き方改革に一体的に取り組むことで、企業収益や処遇の改善につながり、さらに生産性向上に向けた投資に振り向ける好循環を生み出すことができる(工藤泰三副会長)(3)SDGsの浸透を図るために、全国に先駆けて「関西SDGsプラットフォーム」が立ち上げられたことは非常に意義深く、今後各地域でのモデルケースになる(飯島彰己副会長)(4)消費活性化の機運をさらに盛り上げるため、プレミアムフライデーの趣旨に賛同する経営者からのメッセージを募集している(石塚邦雄副会長)――との発言があった。

【関西事務所】