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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年11月22日 No.3386 経団連訪欧ミッションがスウェーデン、ポルトガルを訪問 -二国間経済交流の拡大に向け意見交換/ヨーロッパ地域委員会

経団連(中西宏明会長)は日欧経済関係の重要性に鑑み、毎年欧州各国にミッションを派遣している。今年は11月5日から9日にかけて、ヨーロッパ地域委員会の佐藤義雄委員長、越智仁委員長を団長とする22社、企業の幹部等の女性6名を含む41名の団員がスウェーデン(ストックホルム)、ポルトガル(リスボン)を訪問した。

各訪問先では各国の経済情勢・ビジネス環境、二国間経済交流の拡大、日EU経済連携協定(EPA)の活用、保護主義への対抗、女性の活躍等をめぐり、政府・経済界要人等と意見交換を行った。各国における懇談の成果は次のとおり。

スウェーデン

訪問先=カール16世グスタフ国王、アン・リンデ外務省EU貿易担当大臣、ミカエル・ダンベリ産業イノベーション大臣、フレドリック・パーションスウェーデン企業連盟会長ほか

グスタフ国王(中央)~スウェーデン

スウェーデンと日本は今年、外交関係樹立150周年を迎え、二国間関係強化の機運が高まっている。グスタフ国王からは、4月の来日時の経団連での懇談会に続き、対話が継続できて喜ばしく、将来の貿易・投資関係における協力の機会を探求したいとの発言があった。

政治面では、今年9月の総選挙で極右のスウェーデン民主党が議席を伸ばし、ミッション派遣時点で新政権の樹立に至っていない。この点について経済界からは、政治の安定性は高くはないとの懸念も示された。また、極右台頭の背景でもある移民の労働市場への統合が課題となっている。

経済面では、同国はイノベーション力に秀でるグローバル企業が多く、スタートアップ企業への支援、キャッシュレス化、ジェンダー平等などについて、先進的な取り組みを推進していることから、政策面に学ぶ余地は大きい。また、貿易が経済の原動力であることから、昨今の貿易をめぐる世界の緊張の高まりへの懸念は強く、自由で開かれた国際経済秩序の維持・強化に向けて両国の協力が必要との点で一致した。

ポルトガル

訪問先=マルセロ・レベロ・デ・ソウザ大統領、アントニオ・コスタ首相、アウグスト・サントス・シルヴァ外務大臣、ルイス・カストロ・エンリケスポルトガル投資貿易振興庁(AICEP)長官ほか

コスタ首相(前列右から2人目)~ポルトガル

ソウザ大統領(左から3人目)~ポルトガル

各面会先において、経団連ミッションがポルトガルを訪れた2004年、2013年とは、経済・財政状況、ビジネス環境が大きく改善されたことが強調された。同国へ投資するメリットとして、(1)政治体制の安定性と良好な治安(2)14年の欧州金融危機以降のGDP成長率回復、財政状況の改善と雇用率の着実な上昇(3)高い教育・訓練を受け英語に堪能な人材――等が挙げられた。

また、ポルトガルへの投資は、EU5億人の市場開拓を意味し、同時に、ポルトガル語圏であるアフリカ(アンゴラ、モザンビーク)や南米(ブラジル)等の第三国市場へのビジネスの拡大も容易となるとの説明があった。

懇談全般にわたり、歴史的な友好関係を、日EU EPAを基盤とする、日本企業からの投資と貿易拡大により、さらに緊密な経済関係へと発展させたいとの熱い思いが語られ、今後の協力に大きな可能性が感じられた。

【国際経済本部】

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