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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年11月22日 No.3386 中間選挙と選挙資金 -ワシントン・リポート<51>

11月6日に実施された中間選挙はいまだ一部で結果が確定するまでに時間を要する地域があるものの、大勢としては多くの事前の選挙予想を覆すほどの結果は生じなかった。しかし、通常の中間選挙が投票率も低く、大統領選挙と比べて必ずしも注目度が高くないことに鑑みれば、今回の中間選挙が特別な位置づけとしてアメリカ国民に受け止められたとみることができる。その一例として、「ピンクウエーブ」と呼ばれるなど女性の候補者数および当選議員数が史上最多であったことや、例年以上の期日前投票率の高さに加えて、今回の中間選挙に投入された選挙資金額の多さが挙げられる。

■ 過去最高額の選挙資金

ワシントンDCに拠点を置く独立非営利団体のThe Center for Responsive PoliticsがFederal Election Commission(連邦選挙委員会)の情報に基づいて分析した結果では、今回の中間選挙に投入された選挙資金は全体で約52億ドル(約6000億円弱)にも上る。内訳は、民主党が約25億ドル、共和党が約22億ドル、それ以外が約5億ドルとなっており、選挙資金の投下金額としては最近10年間で初めて民主党が共和党を上回った結果となっている。前回2014年の中間選挙における選挙資金が全体で約38億ドル(民主党が約18億ドル弱、共和党が約18億ドル強)、16年選挙で大統領選挙に費やされた約24億ドルを控除した上下両院を対象とした金額が約41億ドルであったことと比較すると、急激な増加傾向にあったといえる。

■ 個人別の集金額

これらの選挙資金を支えているのが個人や団体からの寄付である。上下両院を合わせた候補者の中で最も多額の資金を集めたのは民主党からテキサス州の上院議員に立候補したベト・オローク下院議員(テキサス州第16区)の6900万ドルで、対立候補の共和党のテッド・クルーズ上院議員(現職)も連邦議員の全候補者で3位となる4000万ドルを集めている。なお、この争いは現職が再選を果たし、必ずしも資金力が結果に直結していない事実を示している。

また、個人の寄付金額としては、カジノ王と医師のアデルソン夫妻による共和党側への約1億1300万ドルが飛び抜けており、次いでヘッジファンドを運営するステイヤー氏による民主党側への約5000万ドルという結果であった。個別候補や政党向けの通常のPolitical Action Committee(PAC=政治行動委員会)への寄付には上限金額があるため、このような大口献金はスーパーPAC(特別政治行動委員会)を経由し、各候補や政党とは連携せずに使われる。

■ 業界別の動向

業界別寄付金額

法制度がビジネスに及ぼす影響も勘案して、従来から各業界団体・企業も多額の寄付を行っている。今回の中間選挙における10月半ばまでの集計で、エネルギー分野では石油およびガス業界で共和党側に3390万ドル、民主党側に470万ドルが拠出されている。電力業界では共和党側と民主党側のそれぞれに1130万ドルと660万ドル、石炭業界では200万ドルと10万ドル、代替エネルギー等の業界では150万ドルと140万ドルであった。運輸分野ではそれぞれに3940万ドルと1660万ドルが拠出されている。他方、インターネット分野では共和党側に370万ドルであるのに対し、民主党側に1340万ドルと逆転している点が特徴的である。

【米国事務所】

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