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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年11月29日 No.3387 新NAFTA等をめぐるメキシコの通商政策の現状について聞く -日本メキシコ経済委員会

経団連は11月12日、東京・大手町の経団連会館でフアン・カルロス・ベイカー・メキシコ経済省副大臣を来賓に迎え、日本メキシコ経済委員会(片野坂真哉委員長)を開催した。

ベイカー副大臣は、9月末に合意に至った新NAFTA(USMCA=米国・メキシコ・カナダ協定)やCPTPP協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定)等をめぐるメキシコの通商政策の現状について説明を行った。概要は次のとおり。

■ 保護主義に対抗し交渉を加速化

メキシコは、2016年から18年の間、米国・カナダとのNAFTA再交渉、TPP、EUやアルゼンチンとのFTA交渉など、同時並行的に通商交渉に取り組み、すばらしい実績を上げた。

この3年間は、保護主義が台頭し、世界の国々が自由貿易政策について疑問を持ち始め、不透明さ、不確実さが高まった時期である。しかし、メキシコは内向きになることなく、自由貿易の加速化、世界経済との連携強化に取り組んだ。

■ CPTPP協定

メキシコでは12月1日に新政権へ移行するが、CPTPP協定は予定どおりの発効が担保されている。発効に必要な国内手続きを11月末までに終え、現政権のもとですべての大統領令や行政措置が整うことになる。米国がTPPに復帰する可能性はあるが、今後2、3年など近いうちにはありそうにない。

■ 新NAFTA

メキシコ政府は、NAFTA再交渉について、電子商取引等の新しい分野の追加、サンセット条項の排除、原産地規則の大枠維持、ローカルコンテンツ条項の排除などの重要な目標を達成し、成功裏に終えることができた。

とりわけサンセット条項は、5年ごとに協定の継続を協議し合意できなければ、自動的に廃止されるという提案だったが、これをレビュープロセスに変更することで、技術革新や法律改正に対応可能となり、「サンライズ条項」と呼べるものとなった。

自動車の原産地規則について、域内原産比率の62.5%から75%への引き上げは、数年かけて段階的に実施されるものであり、対応可能と考えている。また、自動車で40%以上という労働価値比率の条件についても、ソフトウエア開発など高付加価値の工程は、現状でも米国やカナダで行われており、ほとんどの企業が条件を満たしていると考えている。

【国際協力本部】

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