Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年1月10日 No.3391  ダイバーシティ・マネジメントセミナーを開催 -ダイバーシティ時代のキャリア形成

経団連は12月13日、東京・大手町の経団連会館で内閣府との共催により「ダイバーシティ・マネジメントセミナー」を開催した。2013年度から開始した同セミナーは、今年度で6年目を迎え、企業の役員・管理職やダイバーシティ推進の担当者など約200名が参加した。

■ 基調講演
「ANAグループのダイバーシティ&インクルージョン」

第1部では、片野坂真哉経団連副会長・ANAホールディングス社長が基調講演を行った。講演の概要は次のとおり。

片野坂氏

ANAでは、「ダイバーシティ&インクルージョン」を推進しており、2015年に私がANAホールディングス社長に就任した直後、「ダイバーシティ&インクルージョン宣言」を行った。これは、「ダイバーシティ&インクルージョン」を新しい価値創造(イノベーション)の源泉と考え、(1)社員の多様性を大切にする(2)一人ひとりが自らの強みを存分に発揮し、その強みを最大限活かす職場づくりに取り組む(3)誰もがいきいきとやりがいを持って働くことで、揺るぎない信頼とたゆまぬ変革を生み出すANAグループを創る――という3つの取り組みをグループ全体で加速することを宣言したものである。現在、マネジメント層を対象に、外部講師を招いた「ダイバーシティ講演会」やANAグループから200名程度が参加する「ダイバーシティ&インクルージョンフォーラム」を毎年開催するなど、社内でダイバーシティの理解・浸透を深めるためのさまざまな取り組みを進めている。

そのほか、仕事と育児・介護の両立を促す各種支援制度の導入・取得推進や、多様な人材の活躍に向け、障がい者、外国籍、アスリートなどを積極的に採用し、さまざまな人が働きやすい環境づくりに努めている。加えて、経営トップのコミットメントのもと、17年には「働き方改革推進」宣言を行い、テレワーク制度の推奨、フレックスタイム制度のコアタイムの撤廃等に取り組んでいる。さらに、「社員の安全と健康の確保、快適な職場環境づくりは企業活動の基盤である」との考えのもと、グループの健康経営を推進している。その結果、従業員の意識・行動ともに年々変化し、数字の面でも着実に成果が表れている。

これまでさまざまな改革を行ってきたが、トップがコミットし具体的な目標を持って取り組みを続けることが、改善につながる。ANAグループの目指す姿は、ダイバーシティ&インクルージョンの推進を通じて、多様な社員一人ひとりが個性や強みを存分に発揮し、世界のお客さまに愛され選んでいただけるエアライングループになることである。

現在、経団連はSociety 5.0(デジタル革命と多様な人々の想像・創造力の融合によって、社会の課題を解決し、価値を創造する社会)の実現に向けた取り組みを強化している。その実現には、ダイバーシティの推進が不可欠であり、多様な人々の想像力・創造力が原動力となる社会を目指すことが重要である。

■ 事例紹介
「多様な人材の活躍に向けた、キャリア形成支援に係る取組とその成果」

第2部では、「多様な人材の活躍に向けた、キャリア形成支援に係る取組とその成果」をテーマに、ダイバーシティの先進的な取り組みを進める企業として、丸井グループの羽生典弘人事部部長、大東建託の中村武志人事部部長、富士通ソーシアルサイエンスラボラトリの仙田健取締役執行役員常務が、各社独自のダイバーシティ推進の事例や、キャリア形成支援に向けた取り組み等について事例紹介を行った。

【ソーシャル・コミュニケーション本部】