Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年1月17日 No.3392  米国航空事情 -ワシントン・リポート<53>

米国では広い国内の移動に空路を利用することも多いが、米国運輸省では、毎月の実績に基づいて航空旅行者報告書(Air Travel Consumer Reports)を公表している。同報告書では、米国の航空会社によるサービスについての統計をまとめており、航空会社や時間帯、主要空港別のフライトの到着遅延割合のほか、預け入れ荷物の取り扱いミス、オーバーブッキングによる搭乗拒否、顧客からの苦情などの各件数も掲載されている。現在の最新版は12月に公表された10月時点の情報である。

■ 遅延理由

10月は全体として82.56%のフライトが定刻どおりに到着しており、残りは16.71%の遅延と0.73%のフライトキャンセルに分類されている。遅延理由としては、主に空港運営や混雑、航空管制に起因するもの(5.83%)や、当該フライトの前の機材到着の遅れ(5.74%)、メンテナンスや乗務員といった航空会社側における問題の発生(4.48%)のほか、異常気象(0.42%)、緊急避難などの安全上の問題(0.02%)もある。

■ 航空会社ランキング

報告書では、コードシェアで提携する加盟会社をまとめた航空会社グループとしての統計を算出している。現在、毎月の定刻運航割合の推移がわかるランキング対象となっている航空会社グループは、10月の順位でハワイアン(87.6%)、アラスカ(83.2%)、デルタ(83.1%)、スピリット(80.6%)、サウスウエスト(79.0%)、ユナイテッド(78.2%)、アメリカン(77.1%)、アレジエント(76.5%)、ジェットブルー(70.6%)、フロンティア(68.8%)の10社である。また、一部のデータはグループではなく個別の航空会社ごとに列挙されており、報告書の対象として政府に報告義務のある航空会社は、アラスカ航空と合併したヴァージン・アメリカ航空を含めると18社ある。

■ 空港ランキング

また、報告書では前述の10の航空会社グループのデータを基に、主要30空港についてもランキングが明記されている。最も定刻運行割合が高かった空港は、ソルトレークシティー(89.3%)で、次いでホノルルにあるダニエル・K・イノウエ(88.9%)、デトロイト・メトロポリタン・ウェイン・カウンティ(88.8%)の順となっている。ワースト3は、ニューアーク・リバティー(69.5%)、シアトル・タコマ(70.8%)、ダラス・フォートワース(73.8%)である。

ただし、これらのランキングは毎月変動しており、季節的な要因が影響する可能性もある。また、航空会社や空港によって利用旅客数やフライト本数にも差があることから、一律な判断が難しい点は考慮が必要である。

空港ランキング

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【米国事務所】