Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年2月7日 No.3395  第47回中国地方経済懇談会を広島で開催 -「時代の変革を捉え明るい未来を切り拓く!~中国地方の創生と日本再生の実現」テーマに

あいさつする中西会長

経団連と中国経済連合会(中国経連、苅田知英会長)は1月29日、広島市内で「第47回中国地方経済懇談会」を開催した。経団連から中西宏明会長はじめ審議員会議長・副会長らが、中国経連から苅田会長はじめ会員約290名が参加し、「時代の変革を捉え明るい未来を切り拓く!~中国地方の創生と日本再生の実現」を基本テーマに懇談した。

開会あいさつで中国経連の苅田会長は、中国経連の調査によると、中国地方の景況感BSIは、昨年の西日本豪雨の影響が低減し、全体として高水準を維持していると紹介。そのうえで、人口減少と超高齢社会という構造的な課題に直面するなかで、今後も持続的な成長を遂げていくために、(1)IoTやAI等のデジタル技術を活用した基幹産業の生産性向上や新規成長産業の育成(2)産業や観光など地域の持つ資源を最大限に活用し、自立的な成長を遂げることができる地域づくり――に取り組んでいると説明した。

続いてあいさつした経団連の中西会長は、日本経済は安定成長を遂げているが、一方で国際情勢は不透明な状況であり、経済界の果たす役割は大きくなっていると言及。そのうえで、経団連として(1)成長戦略の実現(2)社会保障制度改革などの構造改革の推進(3)自由で開かれた国際経済秩序の維持・強化に向けた経済外交の推進――に取り組むとの決意を表明した。とりわけ、成長戦略については、提言「Society 5.0 ―ともに創造する未来―」に基づき、デジタル化の流れを前向きに受け止め、日本経済発展のトリガーにしていくと説明した。

■ 地域産業の競争力強化と観光産業の振興

「地域産業の競争力強化と観光産業の振興」をテーマとする懇談では、デジタルイノベーションの創出やインバウンド観光の振興などに関する中国経連からの問題提起に対し、経団連から、(1)Society 5.0の実現に向け、社会・産業・個人に関するデータの流通・活用を通じたデジタル革新や、あらゆる人々や組織が参画するイノベーション・エコシステムの構築が必要(山西健一郎副会長)(2)インバウンド観光や農業・フードビジネスの振興には、地方が都道府県の枠組みを超えて広域的に連携し、一体的にPR活動などの取り組みを進めることが効果的(十倉雅和副会長)(3)グローバル・バリューチェーン全体を通じて、製品・サービス等のライフサイクルでの温室効果ガス排出削減に取り組むことは、地域産業の競争力強化にもつながる(杉森務副会長)――との発言があった。

■ 持続的発展に向けた活力ある地域づくり

「持続的発展に向けた活力ある地域づくり」をテーマとする懇談では、防災・減災対策の促進や地域の将来を担う人材の育成・確保などに関する中国経連からの問題提起に対し、経団連から、(1)防災・減災および国土強靱化に向け、サプライチェーン全体をカバーするBCP(事業継続計画)・BCM(事業継続マネジメント)の構築や、官民連携による災害データの共有・活用、「国土強靱化税制」の整備などが重要(古賀信行審議員会議長)(2)各地域において、産業界・大学・地方自治体が連携して人材育成に取り組むことが不可欠であり、とりわけ大学には、教育や研究の成果を地域社会に還元する役割が求められる(永易克典副会長)(3)労働力の確保や多様な価値観の反映という観点から、女性の活躍推進が重要であり、そのためには経営トップのコミットメントや、女性のキャリア形成支援が必要(國部毅副会長)(4)イノベーション創出や人手不足への対応として、専門性や技能を有する外国人材の受け入れを進めることが重要であり、そのための国づくり・まちづくり・職場づくりが重要(隅修三副会長)(5)イノベーションが沸き起こるような企業・組織を目指して、働きがいを高める働き方改革と労働生産性向上に取り組むとともに、多様な人材を活かすダイバーシティ経営を推進することが必要(工藤泰三副会長)――との発言があった。

【総務本部】