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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年2月28日 No.3398 外国政府による廃プラスチック類輸入禁止と国内資源循環への影響について聞く -環境安全委員会廃棄物・リサイクルワーキング・グループ

経団連は2月13日、東京・大手町の経団連会館で環境安全委員会廃棄物・リサイクルワーキング・グループ会合(武井信広座長)を開催し、環境省環境再生・資源循環局廃棄物規制課の成田浩司課長から、「中国による廃プラスチック類(以下、廃プラ類)輸入禁止と国内資源循環への影響」について説明を聞くとともに意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

■ 外国政府による廃プラの輸入規制

中国政府は、2017年7月に「固体廃棄物輸入管理制度改革実施案」を公表するとともに、翌月には非工業由来の廃プラをはじめとする24種を「固体廃棄物輸入禁止目録」に追加した。また、18年12月末に、工業由来の廃プラ、廃電子機器、廃電線・ケーブル等の輸入を停止した。この影響から、17年9月以降、日本から中国へのプラスチックくずの輸出量は大幅に減少した(図表参照)。国内で処理しなければならない廃プラ類の量は、18年に年間約50万トン増加したと見込まれ、国内の廃プラ類の処理が逼迫している。

また、タイ政府、マレーシア政府も廃プラの輸入制限を強化したほか、輸入禁止も検討していることから、日本国内で処理しなければならない廃プラ類の量はさらに増加することが見込まれる。今後、これまで輸出していた年間約150万トンのプラスチックくずについて国内循環体制を構築する必要がある。

日本のプラスチックくずの輸出量

■ 環境省の取り組み

環境省は、今般の影響を把握するため、都道府県および政令市の主管部局や、優良認定を受けている廃プラ類の処理業者を対象にアンケートを実施した。その結果、現時点では不法投棄を含む生活環境の保全上の支障の発生は確認されていないものの、一部地域において保管上限超過等の発生や、一部処理業者が受入制限を行っていることが把握できた。

今後の対応として、主に2点ある。
第1は、外国政府の動向を踏まえつつ、廃プラ類の処理の逼迫状況や不法投棄等に関する実態把握、さらには自治体を含めた情報共有を進めていく。
第2は、公共関与型の産廃処理施設等の活用、新たな処理施設の整備、今年6月までに策定予定の「プラスチック資源循環戦略」に基づく資源循環の促進などの対策を可能な限り速やかに講じる。

排出事業者においては、適正な処理料金の負担や処理状況の実地確認など、適正処理の確保のための排出事業者責任を果たしていただきたい。

【環境エネルギー本部】

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