Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年5月30日 No.3409  ペルシュ・ラトビア外務副大臣との懇談会を開催 -ヨーロッパ地域委員会

ペルシュ外務副大臣(左)と越智委員長

経団連のヨーロッパ地域委員会(佐藤義雄委員長、越智仁委員長)は5月14日、東京・大手町の経団連会館でラトビアのアンドリス・ペルシュ外務副大臣との懇談会を開催した。ペルシュ外務副大臣の発言は次のとおり。

ラトビアの経済は順調である。2018年の経済成長率は4.8%と前年を上回る伸びを記録し、バルト3国で最も高い水準であった。今年についても、18年よりは鈍化するものの、3%台の成長が予測される。主要産業は金属加工、機械工業、林業・木材、運輸、建設、バイオテクノロジー、製薬、グリーン・テクノロジーなど多岐にわたる。またバルト3国最大のICT輸出国である点は特筆すべきであり、現に、ICT分野の輸出は前年比13.0%の伸びを記録した。

ラトビアは外国企業の誘致に力を入れており、例えば、再投資利益については課税を免除するなどのインセンティブを導入している。また25歳から35歳の労働力人口の62%が外国語(英語またはロシア語)に堪能であるなど労働力は若く有能である。進出企業が円滑に事業を行えるよう、ビジネス環境整備も推進している。金融セクターの透明性向上、マネーロンダリングの防止に向けて、今年の夏までに法制化を進める。また、100余りの市町村を30程度に統合する行政の効率化や、迅速な紛争処理を可能とする司法制度改革も推進しており、これらもビジネス環境の向上に資するものと考える。実際、ラトビアはDoing Businessランキングで世界第19位と好位置を占めている。

現在、ICTを活用した社会戦略「Data Driven Nation」を推進している。これはAI等を駆使して創造社会の実現を目指す日本の「Society 5.0」とも共通している。AI等について日本の研究機関との交流はあるが、企業にも参加してほしい。また現在、エストニアのタリンからラトビア、エストニアを経てポーランド国境までの870キロメートルを鉄道でつなぐRail Balticaプロジェクトが進行中である。システムの集中管理等でICTを駆使するので、重工業のみならず、ICT分野を含む多くの業種にビジネスチャンスを提供することができる。

【国際経済本部】