Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年12月5日 No.3434  「再生可能エネルギーの推進等を通じて企業を誘致」 -レイノルズ・アイオワ州知事一行との懇談会を開催

発言するレイノルズ州知事

経団連のアメリカ委員会(早川茂委員長、植木義晴委員長、永野毅委員長)は11月11日、東京・大手町の経団連会館で、米国アイオワ州のキム・レイノルズ州知事一行との懇談会を開催した。レイノルズ知事の発言の概要は次のとおり。

■ アイオワ州の経済・ビジネス環境

アイオワ州は米国の中心部に位置し、州間高速道路、主要鉄道網、空港等、各種輸送・交通面の選択肢が豊富であり、米国内および世界各地へのアクセスの利便性が高い。豊かな土壌、きれいな水、適度な気候に恵まれ、トウモロコシ、大豆、豚肉、牛肉、卵に代表される高品質な農産物の生産が盛んである。州の最大の資産は人材であり、アイオワ州民は勤勉で誠実であり、自身の仕事や生み出す製品に誇りを持っている。

アイオワ州の経済は多様化している。農業が有名ではあるが、(1)先端製造業(2)金融サービス(特に保険)(3)バイオサイエンス―の3つの重要な産業クラスターが経済の安定と成長を支えている。なかでも、農業機械や建設機械等を含む先端製造業は、州のGDPに最も大きく寄与している。

■ 再生可能エネルギーの推進

アイオワ州はIT大手企業の誘致に成功している。その主な要因の一つは、風力発電等の再生可能エネルギーである。州全体の総発電量の37%を再生可能エネルギーが占めており、この比率は年々高まっている。さらに、アイオワ州のある主力電気事業者は2025年までに再生可能エネルギー100%を目標に掲げて取り組んでいる。州政府としても、企業との間で蓄電池に関係する取り組みを開始したところであり、環境と経済の両立を目指している。

■ 日本との関係

貿易・投資の両面において、日本は間違いなくアイオワ州の最も重要なパートナーである。日本はアイオワ州にとって第3の輸出市場であり、また、多くの日本企業がアイオワ州に進出している。

先般署名された日米貿易協定は、アイオワ州と日本の関係を一層強化するものであり、また、日米デジタル貿易協定も、高水準のルールを定めた、この分野で模範となるべき協定として大変評価している。

■ 米中協議

前アイオワ州知事であるブランスタッド駐中国大使は、輸出や投資の重要性を深く理解している。また、州知事在任中の1980年代に、若き日の習近平国家主席をアイオワ州に迎えて以来、長年にわたり個人的な友好関係を構築してきた。そのような経歴を持つブランスタッド大使が一連の米中協議に、米国代表団の一員として参加していることの意義は大きい。

アイオワ州として、自由・公正な貿易実現に向け、米中双方が納得できる内容で合意に達することを楽しみにしている。

【国際経済本部】