Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年12月5日 No.3434  「多くの世界的優良企業が進出」 -ブラウン・オレゴン州知事一行との懇談会を開催

発言するブラウン州知事

経団連のアメリカ委員会(早川茂委員長、植木義晴委員長、永野毅委員長)は11月14日、東京・大手町の経団連会館で、米国オレゴン州のケイト・ブラウン州知事一行と懇談した。経団連は今年2月にワシントンDCで開催された全米知事会冬季会合と7月にユタ州ソルトレイクシティで開催された同夏季会合で、永野委員長がブラウン州知事と懇談しており、今回が三度目の懇談機会となる。

オレゴン州側の説明の概要は次のとおり。

■ オレゴン州の主要産業

オレゴン州は林業が盛んなイメージが強いと思うが、近年、複数の産業セクターが急成長している。世界的に有名なブランドの本社が集まるアウトドア・アパレル産業だけでなく、ハイテク産業も成長が著しい。もともとは半導体から始まった産業だったが、今では最先端技術を取り扱うまでに事業内容が高度化している。これらの分野における研究開発や特許件数も全米屈指の水準となっており、今後のさらなる成長に期待している。

■ 優秀な人材の流入が続くオレゴン州

オレゴン州は他州と比較し、多くの点で優位性を持つ州であると自負しているが、特に高学歴人材という点においては、他に類を見ないだろう。カリフォルニア州の半分程度の水準である電気代に代表される生活コストの低さを理由に、近年、国内外から多くの移住者がオレゴン州に流入しているが、優秀な人材の流入は、そのまま質の高い労働力の増加につながるため、企業にとっての大きなメリットだと考えている。

オレゴン州の過去10年間の雇用総数の伸び率は全米第11位だが、ハイテク産業の発展に伴い、ハイテク分野を専攻する才能ある若手労働者や熟練技術者が続々とオレゴン州に集まっていることから、引き続き順調に推移していくだろう。

■ オレゴン州が誇るアクセス網

オレゴン州は太平洋側の米国主要都市へのアクセスも良好だ。「U.S.News」の交通インフラ・ランキングにおいて全米第4位にランクインしており、世界各地へのアクセスという点においても優れている。ビジネストラベルに適した空港ランキングで、7年連続の第1位に輝いたポートランド国際空港は、州の誇りである。また、1万2850キロメートルの総延長距離を誇る州間高速道路や、隣接する州との貨物輸送接続可能距離が3830キロメートルにも上る鉄道など、国際市場へのアクセスに大きく貢献する物流ネットワークが構築されている。

■ 日本企業への期待

日本とオレゴン州は長きにわたり文化的、経済的関係を築いてきた。長年、多くの日本企業が投資を行った結果、今では150社の日系企業が同州に進出している。

オレゴン州の最低実効税率は全米第5位の水準であり、「シングルセールスファクター(同州内売上に限定した法人税)」を採用しているなど、企業を惹きつける魅力を多く有している。ヒルズボロ市やポートランド市などの地方自治体とも連携し、企業がより快適に事業を営めるように、ビジネス環境整備に取り組んでいきたい。日本企業によるさらなる投資に期待している。

【国際経済本部】